島津製作所は23日、シンガポールの科学技術研究庁(Agency for Science, Technology and Research、A*STAR)傘下の研究開発組織である Diagnostics Development Hub(DxD Hub)と共同で「Shimadzu ? DxD Hub Diagnomics Centre」(SDDC)を3月6日に設立したと発表した。
DxD Hubは、シンガポールの国際的なR&D拠点であるバイオポリスに立地している。A*STARはオープンイノベーションを通じて、官民のパートナーとの協働および、経済と社会への貢献を目指している。DxD Hubは、特に臨床用途の診断デバイス開発と、社会実装の推進に力を注いでいる。
SDDCはDxD Hubに設置され、感染症、がん、代謝性疾患の3領域で共同研究を行う。感染症分野では、島津独自のAmpdirect技術を用いて様々な感染症のためのPCR試薬開発を行い、感染症の早期発見と迅速な対応を支援していく。また、がん分野では、質量分析技術を用いて早期発見と個別化医療の実現を推進し、代謝性疾患では、疾患管理を支援するための診断精度の向上に重点を置く。
同ラボには、同社製のMALDI型質量分析計「MALDI-8030」、マイクロチップ電気泳動システム「MultiNA II MCE-301」、フーリエ変換赤外分光光度計「IR Xross」などが設置される予定。
同社のアジア統括子会社Shimadzu (Asia Pacific) Ltd. Pte(SAP)はこれまでシンガポールにおいて、Changi General Hospital (CGH)やSingapore General Hospital(SGH)などの国立医療機関と、ヘルスケア分野における共同研究に取り組んできている。島津グループは、今後も世界各地の様々な研究機関や医療機関とのパートナーシップに基づき、継続的に技術・製品を提供していく。また、共同研究者とさらなる技術開発・製品開発を行っていく。