島津製作所は22日、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」(Shimadzu FIF)を通じ、米国のスタートアップであるPersist AI Formulation Corp.(Persist AI、カリフォルニア州)に出資したと発表した。Persist AIは、医薬品の製剤開発をAIとロボティクスで効率化するプラットフォームを開発している。
医薬品の有効成分を使いやすく、かつ作用を発揮しやすい形状に加工する製剤化の工程は、熟練した技術者の知見に依存しており、開発コストがかさむ課題がある。
Persist AIは、製剤の中でも吸収性や即効性に優れる注射剤に絞って、独自のAIによって有効成分の充填度や溶解度などの条件を最適化することで、徐放性に優れた注射剤の開発を目指している。また、従来手作業だった工程をロボティクスで自動化するシステムも開発している。
島津は、LC(液体クロマトグラフ)をはじめとする分析計測装置を製薬業界に提供してきた。今回の出資を通じて、Persist AIと共に革新的なソリューションを開発し、医薬品製造の効率化と品質向上に貢献していくことを目指す。