キヤノンマーケティングジャパンは26日から、国内独占販売契約を締結している米国のSigray(シグレイ)社製で、1台で直交CTと斜めCT(ラミノグラフィ)に対応し最高空間分解能400nm以下を実現したハイブリッド型ナノ3DX線顕微鏡「ApexHybrid-200」を発売する。
同製品は、X線を直交入射と斜入射に切り替えることが可能なハイブリッド型ナノ3DX線顕微鏡。
X線CT装置において一般的な方式である直交入射は、高い空間分解能の画像を得ることができ、細かい構造や微小な欠陥を鮮明にとらえることが可能となる。
一方、斜入射は、直交入射に比べより大きなサンプルを近接で観察することが可能であり、サンプルを切断することなく非破壊での解析を実現することができる。
同製品は、特許取得済みの斜入射機構「精密角度ラミノグラフィ(Precision Angle Laminography, PAL)」と、直交入射の2種類の入射モードを搭載している。PALモードでは、最大225mmΦまでの大型サンプルに対して、サブミクロンレベルの空間分解能で非破壊かつ短時間(約15分間)での測定が可能となった。
2種類の入射モードによって、様々な形状や大きさのサンプルに対して最適な撮像を実現する同装置は、効率的な故障解析や研究開発を強力に支援する。
複雑化が進む半導体製品の故障解析などでは、大型のプリント基板から小型のチップレットに至るまで、様々なサイズや構造のサンプルに対応する必要があり、それぞれに応じた多段階の工程にかかる作業時間が課題となっている。
一方、電気自動車向けバッテリーとして量産化が期待される全固体電池の開発でも、材料評価や構造解析といった作業が煩雑化しており、迅速かつ高精度な解析技術の導入が求められている。
今回、キヤノンMJは、これらの課題や要望に対応得るため、同製品の発売となった。