
強い期待を示す上原氏
大正製薬は6月1日から、有効成分ミノキシジルを5%配合した男性用発毛剤「リアップX5(エックスファイブ)」(第1類医薬品)を新発売する。1999年6月に、日本初の壮年性脱毛症における発毛剤「リアップ」を発売して10年目が経過し、今回、世界的にも最高濃度のミノキシジル(従来品の5倍量)を配合した新製品を加え、リアップシリーズの強化を図る。21日に都内で開いた新製品発表会で、上原明会長兼社長は「従来品のリアップと比べ、臨床試験で優れた発毛効果が実証された。5%という濃度が大きな特徴だ」と強調。さらに「6月からの新販売制度スタートと同時に新発売するというのが重要なポイントでもあり、販売する薬剤師の適切な指導で、より多くの人に効果を実感してもらいたい。今後は第1類医薬品の象徴として育成していきたい」と、強い期待を示した。
ミノキシジル製剤は、世界90カ国以上で医療用医薬品として販売され、約40カ国でOTC医薬品として流通している。このうち、アメリカやイギリスなどの20カ国以上で、ミノキシジル5%製剤がOTC医薬品として販売されている。
日本では大正製薬が99年に、医療用を経ずにスイッチするという初のダイレクトOTCとして、ミノキシジル1%配合の「リアップ」を発売。その後、05年には女性用「リアップレディ」、08年には頭皮環境改善成分を加えた「リアッププラス」を加え、ラインナップを充実させてきた。10年間の累計出荷本数は4500万本を超え、シリーズ累計出荷金額も1600億円に達するという。

新製品の「リアップX5」
女性用を含め、これまでの「リアップ」はいずれも有効成分ミノキシジル1%配合なのに対し、「リアップX5」は5倍量を配合している。二重盲験法による臨床試験では従来品と比べ、毛髪数が増える、太い毛が増えるなど、優れた発毛効果が実証された。医師による5段階評価で、使用24週後の軽度改善以上は93・6%を示したという。リアップの従来品は、1日2回を6カ月間使用して効果が実感されるのに対し、同品は4カ月使用後から有効性が認められるなど、高い効果を実現した。
このほか、従来品の容器はキャップを外して薬液を1mL計量して塗布するなど、終了まで8ステップの操作が必要だったが、「リアップX5」は先端部のノズルなど容器を一新したことで、3ステップで計量・塗布できるなど、使いやすさも大きく改善された。税込み希望小売価格は、60mL7400円。
同社では「リアップシリーズは発毛剤・育毛剤市場(約300億円)で49・8%のシェアを有するが、薄毛に悩んでいる成人男性(推定1650万人)で、リアップユーザーは2割にも満たない。今までリアップを使用して中止した人、そして発毛剤・育毛剤を使ったことがない多くの人に、X5の発毛効果とそれによる笑顔を届けたい」(山口義人リアップブランドマネージャー)とし、積極的な販促展開を図っていく。
TVCMなどメディア広告では、20~60代を代表するタレント(福士誠治、ケイン・コスギ、岸谷五朗、渡辺裕之、長塚京三)の笑顔を前面に、臨床データ等を用いてアピールする。また薬局店頭には、大きな製品名と共に「第1類医薬品取扱店」と書かれた幟を用意し、アピールしていく。初年度目標額(発売から1年間の出荷ベース)は80億円を見込む。