H.U.グループホールディングスは18日、同社の連結子会社である合同会社H.U.グループ中央研究所がこのほど、自社開発の細胞外小胞(Extracellular Vesicles:EVs)関連基盤技術「EViSTEP(Extracellular Vesicle isolation and Storage Technology Platform)」を活用し、膵癌の早期診断を目指す共同研究体制「膵がん早期診断コンソーシアム」を発足させたと発表した。同コンソーシアムには、旭川医科大学、JA尾道総合病院、広島大学、東京慈恵会医科大学が参画し、診断技術の社会実装に取り組んでいく。
膵癌は、初期症状に乏しく早期発見が難しい癌の一つで、ステージ4での5年生存率は約3%と極めて低い一方、ステージ0では約85%と、早期発見が生存率に直結する。現時点では有効な早期診断法は確立されておらず、より早期の段階で膵癌を検出可能とする新たな診断マーカーの開発が待たれている。
近年、EVs中に含まれる蛋白質などの解析を通じ、細胞の状態を把握することが可能になりつつあり、これが画像診断や内視鏡では捉えにくい早期の段階の癌検出につながると期待されている。
こうした背景を踏まえ、同コンソーシアムでは、EVsを回収する技術であるEViSTEPを活用し、膵癌の早期診断を可能にする診断マーカーの探索研究に取り組む。
同コンソーシアムでは、各機関の専門性と H.U.中央研究所の技術を通じ、膵癌の早期診断技術の確立と社会実装を目指す。
なお、H.U.中央研究所が開発したEViSTEPは、独自の試薬・抗体と全自動回収機「Autoevis」を用い、血液や尿などの体液から高効率・高純度なEVsを回収する技術。EVs中に含まれる蛋白質や核酸などの情報伝達物質の解析により細胞の状態を把握することが可能で、これまでに臨床的有用性を示す成果を上げている。
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