
テルモ25日、ミッドラインカテーテル「サーフローMidela」を全国の医療機関に向け販売した。同製品は日本初の留置針型ミッドラインカテーテルで、患者により低侵襲な治療の選択肢の提供と、手技の簡便化による医療従事者の負担軽減をサポートする。
ミッドラインカテーテルは、上腕の末梢静脈から挿入し、カテーテル先端を腋窩(付近に留置するカテーテルで、末梢静脈留置カテーテル(Peripheral Intravenous Catheter、PIVC)と末梢挿入型中心静脈カテーテル(Peripheral Inserted Central Venus Catheter、PICC)の間に位置する製品となる。
今回発売された同製品は、簡便・確実・安全に留置できるミッドラインカテーテルを目指して開発されたもの。現在国内ではキット型のミッドラインカテーテルが主流で、留置針型は国内初となり、さらにC2区分(新機能・新技術)での保険適用が認められている。
主な特長としては、カテーテル挿入を簡単にできることが挙げられる。留置針型タイプのため、穿刺からカテーテル挿入までをスムーズに操作でき、カテーテルに直接触れずに挿入できる「スライダータブ」を搭載し、簡単かつ清潔にカテーテルを挿入可能となっている。
また、片手操作に対応しており、エコーで血管およびカテーテルの挿入の状況を確認しながら留置操作ができる。さらに、2種類の異なる素材をつなぎ合わせる独自開発の「カテーテル先端ソフトチップ」で、ガイドワイヤーを使わずカテーテルを留置できる設計で、これにより、ガイドワイヤートラブルの防止に寄与する。加えて、様々な持ち方(挟み持ち・ペン持ち・握り持ち)に対応したグリップ形状により、安定した穿刺をサポートする。
狙った血管へ、確実にアプローチできるのも特長の一つ。同社独自の「3D針テクノロジー」により、穿刺成功率の向上や合併症リスクの低減が期待される。
リスクを最小限にした安全な設計となっている。止血弁の搭載により血液曝露リスクを低減。穿刺後に内針を引き抜くと自動的に針刺し防止機構が作動する「パッシブセーフティー機能」を備え、医療従事者の安全を守る設計が施されている。また、カテーテルの抜去・ズレを抑制する専用の固定具を開発すると共に、PICCとの誤認を防ぐため、注意喚起ラベルを同梱し、何が血管に留置されているかを一目で判別ができる。
PIVCは細い血管へのアプローチのため、カテーテルを短期間で交換する必要があり、血管の状態により再穿刺・再留置が発生する場合があり、医療従事者や患者双方の負担となっている。また、PIVCに適切な血管がない場合などはPICCを代替として選択する必要がある一方で、PICCは心臓に近い血管へのカテーテル留置のため、穿刺技術の習熟が必要とされているなどの課題がある。ミッドラインカテーテルは、より安全に低侵襲に末梢に適合する薬剤の輸液治療を行える選択肢となる。