島津科学技術振興財団(理事長:榊裕之氏)は5日に開催した理事会で、2025年度島津賞受賞者に胡桃坂仁志氏(東京大学定量生命科学研究所教授)、島津奨励賞受賞者に岡田随象(東京大学大学院医学研究科教授)、井手口拓郎(東京大学大学院理学系研究科准教授)、松永隆佑(東京大学物性研究所准教授)の3氏、および研究開発助成金受領者(領域全般20人、新分野3人)を決めた。
島津賞は、「科学技術、主として科学計測に係る領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において、著しい成果をあげた功労者」を表彰する。島津奨励賞は2018年度に創設された顕彰事業で、「科学技術、主として科学計測に係る領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において独創的成果をあげ、かつその研究の発展が期待される45歳以下の研究者」を表彰する。
また、研究開発助成は、「主として科学計測に係る科学技術領域と新分野で、独創的研究を対象とし、国内の研究機関に所属する45歳以下の研究者」を助成するもので、 同財団では、“主として科学計測に係る科学技術領域”を【領域全般】と称している。また【新分野】は、同財団が毎年テーマを指定し、今年度は「先進情報技術の研究分野、または先進情報技術やデータサイエンスを用いて科学的課題解決を目指す研究分野」がテーマとなっていた。
表彰式・研究開発助成金贈呈式、受賞記念講演は来年2月17日、京都市河原町のホテルオークラ京都で行われる。
受賞者と受賞業績等は次の通り。
〈島津賞:表彰状・賞牌・副賞500万円を贈呈〉
▽胡桃坂仁志氏:クロマチン複合体構造の革新的解析法とエピゲノム動作原理の解明
〈島津奨励賞:表彰状・トロフィー・副賞100万円を贈呈〉
▽岡田随象氏:遺伝統計学による疾患病態解明・個別化医療・ゲノム創薬の基盤形成
▽井手口拓郎氏:超解像赤外顕微鏡の開発
▽松永隆佑氏:高速テラヘルツ分光による超伝導体およびトポロジカル物質の基礎特性解明と機能開拓
〈研究開発助成〉
【領域全般:1件あたり100万円の研究開発助成金を授与】
▽阿部真樹氏(東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター助教):コヒーレントX線を用いた高速化学状態ナノイメージング法の開発
▽石崎友崇氏(名古屋大学病院脳神経外科病院助教):ヒト脳内電極脳波によるてんかんネットワークの解明と患者仮想脳の構築
▽内海ゆづ子氏(大阪公立大学大学院情報学研究科基幹情報学専攻准教授):CT計測と画像認識に基づく花序形成プロセスの数理モデル構築
▽大家広平氏(名古屋大学大学院工学研究科機械システム工学専攻助教):流動逆解析に基づく複雑流体レオロジー計測技術の開発
▽大西康平氏(広島大学大学院医系科学研究科生理学および生物物理学特別研究員PD):新規温度センサー分子を指標とした神経温度応答解析
▽小坂田拓哉氏(東京科学大学生命理工学院特任准教授):神経ペプチドセンサーの脳内多点in vivo記録法の開発
▽加藤康作氏(大阪大学レーザー科学研究所光量子ビーム科学研究部門特任助教):励起波長可変テラヘルツ放射分光によるSPR誘起電荷移動の計測
▽岸川諒子氏(産業技術総合研究所物理計測標準研究部門高周波標準研究グループ主任研究員):AI向け超高速3次元集積回路のための高周波非線形測定技術
▽草野和也氏(九州大学大学院工学研究院機械工学部門助教):複雑流動場の音響リモートセンシングを実現する逆解析手法の構築
▽鈴木博元氏(千葉大学大学院薬学研究院講師):放射性ペプチド医薬品の新規精製法の開発
▽高野徹也氏(九州大学高等研究院・生体防御医学研究所脳機能分子システム分野准教授):精神疾患の回路病態に迫る次世代プロテオーム計測プラットフォームの構築
▽高橋秀実氏(大阪大学大学院工学研究科 電気電子情報通信工学専攻助教):高時間分解能・偏光ラマン分光法によるレーザー濃縮の探求
▽谷口大輔氏(東京都立大学理学部物理学科助教):超高速度星をプローブとした天の川銀河中心のr過程元素組成測定法
▽中谷航太氏(新潟大学医学部医学科研究推進センター助教):親水性メタボロームとリピドームの同時分析法の開発
▽パウデル・サシーム氏(北海道大学大学院医学研究院クリニカルシミュレーションセンター助教):AI科学計測による腹腔鏡・ロボ鼠径ヘルニア手術技能評価
▽平岩宏章氏(名古屋大学病院循環器内科病院助教):X線動態解析による低侵襲的心機能計測および新規診断支援技術の開発
▽蛭田勇樹氏(慶應義塾大学理工学部応用化学科准教授):長時間生体イメージングを可能にするケージドルシフェリンの開発
▽深田健太氏(芝浦工業大学工学部電気電子工学課程先端電子工学コース准教授):広帯域誘電分光法による細胞代謝の非侵襲計測
▽村岡真輔氏(名古屋大学病院脳神経外科助教):くも膜下出血の周術期管理に関する個別化医療モデルの開発
▽米田成氏(神戸大学大学院システム情報学研究科システム計測専攻准教授):高輝度量子もつれ光源を用いた二光子吸収顕微鏡の開発
【新分野:助成総額300万円】
▽岡田大瑚氏(岐阜大学高等研究院・大学院医学系研究科特任助教):細胞若返りの新指標と薬剤カクテル最適化
▽後藤信一氏(東海大学医学部・総合診療学系総合内科学講師):人工知能による新規呼気ガス計測技術を活用した肝疾患の検出
▽城塚達也氏(愛媛大学大学院理工学研究科理工学専攻機能材料工学講座准教授):機械学習による昇温脱離解析手法の開発
「医療機器・化粧品」の記事に関するご意見・お問合せは下記へ。
担当者:河辺
E-mail:kawabe_s@yakuji.co.jp
TEL:03-3866-8499


















