仏製薬大手のサノフィ・アベンティスは28日、国内ジェネリック医薬品(GE薬)メーカー最大手の日医工と資本・業務提携を行い、合弁会社「日医工サノフィ・アベンティス」を設立すると発表した。合弁会社にはサノフィが51%、日医工が49%を出資。さらにサノフィは、日医工が6月に実施する第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の4・66%を約44億円で取得。両社の提携関係を強化する。新興国で相次ぐGE薬メーカーの買収を行ってきたサノフィは、日本でも合弁会社を通じて、GE薬市場に本格参入する。
サノフィは、グローバルで戦略的にGE薬事業を拡大しており、これまでにチェコの「ゼンティバ」、メキシコの「ケンドリック」、ブラジルの「メドレー」を相次いで買収し、新興国市場へのリーチを拡大してきた。今回、GE薬市場では“新興国”とも言える日本において、国内GE薬メーカー最大手の日医工と提携することが、さらなるGE薬事業の拡大につながると判断。新たに合弁会社を設立し、日本市場に本格参入することを決めた。
一方、日医工は、これまでサノフィの長期収載品2品目5規格の販売を手がけてきた実績があり、外資系GE薬、新薬メーカーが攻勢をかける中、サノフィと提携することで、一気にシェア拡大を目指す。また、グローバル展開を掲げていることから、サノフィのネットワークを活用し、原料調達や販路の拡大などに生かす狙いもある。
合弁会社は6月中に設立し、社長はサノフィ・アベンティス日本法人のパトリック・ショカ社長が兼務する。まず、日医工の販売網を活用し、サノフィの睡眠障害改善薬「アモバン」を販売する。今後の開発・販売体制は未定だが、国内でGE薬の共同開発も予定している模様だ。
国内GE薬市場は、外資系GE薬メーカー、国内大手新薬メーカー、異業種から参入が相次ぎ、激戦模様となっているが、ここへ来て世界最大のファイザーに続き、今回のサノフィ・アベンティスと、外資系新薬メーカーの参入が本格化してきた。
合弁会社によるGE薬事業への参入は、イスラエルのテバと興和の「興和テバ」に続く動きとなるが、サノフィと日医工による合弁会社の設立は、外資系新薬メーカーと国内GE薬メーカーが提携する初めてのケースとなる。ただ、今回の契約では、サノフィの出資比率を4・66%にとどめる内容になっており、今後サノフィが出資比率を高める可能性はないとしている。