大正製薬は7日、マレーシアの医薬品メーカーHoepharma Holdings Sdn.Bhd(ホウファーマ・ホールディングス、以下「ホウ製薬」と略、クアラルンプール)の全株式を、3億7000万マレーシアリンギット(約104億円)で取得すると発表した。大正製薬ではこれまで、マレーシアではドリンク剤を中心に展開してきたが、今後はOTC医薬品を中心としたセルフメディケーション事業に本格参入し、アジア地域への拡大につなげていく。
ホウ製薬の2011年1月期売上高は約21億円で、マレーシア国内においては、外資系を除いて製薬企業ではトップ。主力の医療用皮膚科領域では同国トップシェアを誇り、他のアジア地域を含め約40カ国で製品を販売している。
大正製薬は、主力のセルフメディケーション事業の海外展開として、香港、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、中国に現地法人を設立し、「リポビタンD」を販売。“エナジードリンク”という新たな市場を形成し、ドリンク剤市場の国際的リーダーとしての地位を確立してきた。また、国際競争力の強化とブランド構築に向けて、09年にはブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が保有する、アジアにおけるOTC医薬品の商標権等の事業を取得。アジア地域のOTC医薬品事業へ本格参入している。
現在、インドネシアをはじめ東南アジアで、代表的な解熱鎮痛薬ブランド「Tempra」や、外用消炎鎮痛剤「Counterpain」などの販売を展開しており、シンガポールにはアジア事業全体の統括会社を設けて、さらなる事業拡大を目指している。
同社では今回の買収によって、マレーシアでのセルフメディケーション事業への本格参入を図る共に、「ホウ製薬の販売ネットワークを活用し、旧BMS製品を加えた新たな製品ラインナップを供給することで、アジア地域でOTC医薬品を中心とした事業のさらなる拡大が期待できる」としている。