あすか製薬は8日、供給不足が続いている甲状腺ホルモン剤「チラーヂンS錠」について、独サンドから入荷した緊急輸入品のレボチロキシンナトリウム製剤の出荷を開始した。第一弾として同50μg錠86万0800錠を出荷する。ただ、数量が限られていることから、全国的な供給は19日から開始する。今後5週間にわたって、国内必要量の1カ月分に相当する約5000万錠を入荷する予定。また、同社いわき工場で生産を再開した「チラーヂンS錠50」については、4月下旬に通常生産体制に復帰できる見通しが立った。
同社は、いわき工場で「チラーヂンS錠50」の生産を再開したが、まだフル稼働には時間がかかるとの見通しを示していた。従来の供給量を確保するためには、代替措置として海外製品の緊急輸入などが必要と判断。8日、独サンドから入荷したレボチロキシンナトリウム製剤50μg錠を供給できることになった。
ただ、第一弾として入荷したのは86万0800錠と数量が限られ、輸入品に関する情報提供も必要となることから、全国的な供給は19日から開始することにしている。さらに今後、5週間にわたってサンドから約5000万錠を入荷すると共に、いわき工場での「チラーヂンS錠50」の増産、製造委託会社による生産を進め、従来の供給量を確保する。
現在いわき工場では、汎用規格である「チラーヂンS錠50」の製造ラインを、最優先で稼働させているところで、4月下旬には通常の生産体制に復帰できるメドが立っている。他の規格である「チラーヂンS錠25」「同錠100」「同散0・01%」についても、早急に生産体制を整備していく。