原因薬最多は中枢神経系
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は27日、2010年度における医薬品副作用被害救済の実績を公表した。処理決定件数は1021件で前年度より31件多かった。このうち不支給は122件、取り下げは2件で、支給は36件増えて897件となった。支給実人数は813人で、原因となった医薬品は、中枢神経系用薬が632件で最も多く、ホルモン剤276件、抗生物質製剤253件、化学療法剤192件、消化器官用薬170件と続いた。
PMDAは救済給付事務を迅速化して、請求から半年以内の処理率を13年度までに60%以上に引き上げる目標を、09年度に始まった第2期中期計画に掲げている。12年度に半年以内で処理できたのは434件で、処理率は前年度を6・1ポイント上回る42・5%だった。処理期間の中央値は6・4月で、0・4カ月短縮した。
また、8カ月以内の処理は全体の74・6%を占める765件で、10年度事業計画で目指した「70%以上の維持」を達成した。
副作用の原因となった医薬品(複数の医薬品)では、中枢神経系用薬が最多の632件で、ホルモン剤276件、抗生物質製剤253件、化学療法剤192件、消化器官用薬170件と続いた。
請求件数は1018件で前年度より34件少なかった。
感染救済の実績は、7件を処理し、このうち6件に支給を決めた。処理期間の中央値は6・9カ月だった。
このほか、救済制度に関する電話相談は1万6123件、ホームページアクセス数は8万9500件だった。
相談業務については、09年に一般薬の外箱にPMDAのフリーダイヤル番号を掲載したところ、電話相談が3万5000件近くに増えたが、製品の照会や苦情など、本来はメーカーに問い合わせるべき内容が2万5000件程度に上り、制度関係の相談は1万件弱にとどまった。
10年度は、09年中頃に音声案内ガイダンスを導入した効果が表れ、制度関係以外の相談は8000件弱まで改善した。ただ、制度関係の相談も8000件強まで減った。