永山社長は会長兼CEO

中外製薬は1日、小坂達朗取締役専務執行役員が新社長兼COO(最高執行責任者)に昇格するトップ人事を発表した。永山治社長は、代表権のある会長兼CEO(最高経営責任者)に就任し、上野幹夫副社長は副会長となる。永山氏がCEOとして経営責任者を続投し、小坂新社長がCOOとして経営戦略の実行役を担う形になる。3月28日に開催予定の株主総会後、取締役会で正式決定する。
業務執行を迅速化
同日夜、都内で記者会見した永山氏は、社長交代の背景について、「ロシュとの提携から10年が経過し、お互いに目指したことが全ての面でほぼ予定通りに進み、これからの中外製薬を考えると新しいステージに入った。ますます厳しくなる経営環境の中、トップ製薬企業にチャレンジするためには、スピーディーな戦略の実行が必要と考えた」と説明。
小坂氏を選んだ理由については、「海外経験が長く、経営企画や営業、マーケティングなど幅広く携わってきた。現状の中外製薬にとって、経営戦略の実行役に最もふさわしい」と評価した。
新社長に内定した小坂氏は、「業務執行全般について責任を負い、迅速な意思決定、着実な実行というPDCAをしっかりやっていきたい。会長、副会長と3人のトロイカのリーダーシップチームで、中期経営計画『サンライズ2012』の今年の目標達成、その先にあるトップ製薬企業に向け尽力していきたい」と抱負を述べた。
その上で、「革新的新薬を提供するイノベーションが大きなミッション」と位置づけ、「革新のみならず、新しい基軸、アイデアで中外製薬の様々な機能についても変革を起こしていく」と決意を語った。
小坂氏は、1953年生まれの59歳。76年に中外製薬に入社後、95年4月に中外ファーマ・ヨーロッパ副社長、02年10月に執行役員経営企画部長に就任。常務執行役員営業統轄本部副統轄本部長、常務執行役員マーケティングユニット長、取締役専務執行役員ライフサイクルマネジメント・マーケティングユニット長を経て、昨年1月から取締役専務執行役員(ポートフォリオマネジメント管掌、ライフサイクルマネジメント・マーケティング管掌、営業管掌、事業開発担当)を務めていた。