PHCバイオメディカ事業部(PHCbi)は、バイオプロセス技術のグローバルリーダーであるベルギーのUnivercells Technologies by Donaldsonが開発製造する、初期研究および細胞培養プロセス開発用の超小型fixed-bedバイオリアクター「scale-X nexo システム」と専用ソフトウェア「Skaiaビジョン」を発売したと26日に発表した。
同システムは、細胞遺伝子治療用ウイルスベクターやエクソソームの製造など、幅広い用途に対応する閉鎖系の培養装置。培養面積および容量を必要最小限に抑えることでランニングコストが低減できるだけでなく、最大600m2の商用製造対応モデルへのシームレスなスケールアップによって、研究規模から大規模製造への迅速な移行を可能とする超小型バイオリアクターとして注目される。
また、同システムを含む「scale-X システム」バイオリアクターに対応する「Skaiaビジョン」は、培養中の細胞の増殖数とグルコースや乳酸濃度を自動的に予測することで、手作業による細胞の計数作業を軽減し、細胞培養や細胞医薬品製造プロセスのさらなる効率化と、汚染リスクの低減を実現する画期的なソフトウェアとなっている。
PHCbiは2021年、研究開発、臨床試験および商用製造用途としてUnivercells Technologiesのfixed-bedバイオリアクター「scale-X hydroシステム」および「scale-X carboシステム」の国内における独占販売権を取得し、販売を行ってきた。今回の「scale-X nexoシステム」と「Skaiaビジョン」の発売によって、初期研究から商用製造まで、コストパフォーマンスにより優れたソリューションを拡充し、さらに安全で高効率な細胞培養プロセスの実現を図っていく。
なおPHCbiは、26年に最大培養面積600m2の大量培養を可能とする商用製造向け「scale-X nitroシステム」の取り扱いを開始し、研究室レベルから大規模商用製造まで一連のソリューションを提供可能とする予定だ。