薬の種類、数を高精度で識別
EMシステムズは、薬剤鑑査支援自動識別照合システムを5月に新発売する。調剤棚から薬剤師がピッキングしてきた薬の種類や数が、処方箋に合致しているかどうかを識別するもの。トレイ上のPTPシートや外用剤、点眼剤の画像を内部のカメラで撮影し、同時に重さも測定して照合する。高度な画像解析技術によって高い識別率、短時間での処理を実現した。
名称は「EM Audy」。ピッキングしてきた錠剤や外用剤など複数の薬をトレイに載せたまま引き出しにセットし、タッチパネル上の該当患者名に触れる。すると、取り間違いがないかどうかをわずか数秒以内に識別し、間違いがあれば警告を発する仕組みだ。
PTPシートなどに記載された文字を認識するOCR技術ではなく、薬の形や輝度によって識別する高度な画像解析技術を搭載したことが特徴だ。さらに、システム下部に秤を組み込み、画像撮影と同時に重さも測定できるようにした。
何の薬がどれだけの数量、トレイに載っているのかを、薬の形状、輝度、重量から総合的に判断する。それをレセコンから取り込んだ処方データと照合し、ピッキングした薬が合致しているかどうかを自動的に識別する。
OCR技術では、読み取る対象が制限され、精度にも課題があった。これとは異なる画像解析技術を搭載し、高い識別率を実現した。処理時間も短い。さらに、PTPシートの表面でも裏面でも、輪ゴムでとめたままでも識別を行える。
▽識別・照合記録を全て保存▽ヒヤリハット作成を支援▽薬剤師単位の記録を保存可能▽印刷や外部媒体への保存可能――など管理機能も充実している。
システムには、各薬剤の画像データ、PTPシート1枚当たりの重量データなどが登録されている。同社から定期的にデータが提供されるほか、薬局側でも簡単にデータを登録できる。
同社取締役の青田玄氏は「昨年報道された調剤過誤事件を受け、安心・安全の確保に投資したいという薬局の意欲が高まっている。また、患者さんへの説明などソフト面を充実させるため、業務効率化の意識も高い」と話す。
携帯端末を使ってピッキング時にバーコードと照合し、取り間違えを防ぐシステムが薬局で汎用されているが、業務効率化という側面からも、今回発売するシステムへの期待は強いという。レンタル方式での導入需要が強く、価格は税別月額3万円台(マスター配信料込み)を予定している。
EMシステムズ
http://www.emsystems.co.jp/