
うすき製薬(大分県臼杵市)の解熱鎮痛薬「後藤散」は、九州エリアを中心に90年以上の長きにわたり、多くの世代に愛用されている。きめの細かい粉末で吸収が早く、痛みによく効く「後藤散」であるが、「散剤ということで以前より“もっと飲みやすい顆粒剤を作ってほしい”との声が上がっていた」(同社)という。そこで、特に中高年ユーザーの要望が高かった顆粒タイプの解熱鎮痛薬「後藤散いたみどめ顆粒G」(指定第2類医薬品)を、4月5日に新発売する。
年齢を重ねるにつれ、節々が痛くなってきたり、首筋や筋肉のこりを伴う頭痛や腰痛も増えてくる。一方で、加齢に伴い嚥下機能が弱くなるため、錠剤が飲みづらくなることがある。「後藤散」ユーザーの中高年世代が顆粒タイプを求めたのも、そうした理由からで、顆粒剤は中高年にお勧めの剤形といえる。
「後藤散いたみどめ顆粒G」は、同社がかぜ薬・せきどめで培った造粒技術を用いて開発されており、口当たりが良くサッと溶ける球状顆粒とすることで飲みやすくしている。
解熱・鎮痛・消炎に優れた効果を持つアスピリンに、無水カフェイン、植物由来のケイヒ末、カンゾウ末を配合した“アスピリン+生薬のW処方”を特徴とする。アスピリンが痛みのもとに作用し、カンゾウ末が炎症を抑えて、つらい痛みに素早い効果を発揮する。ケイヒ末が血液の流れを良くし、肩・腰の痛みを緩和する。眠くなる成分を含まず、1日3回服用できる。税別希望小売価格は12包780円。
現在、解熱鎮痛薬市場の上位品目の多くは錠剤で、高齢者からは「錠剤がうまく服用できない」、あるいは「小粒のためつかみにくい」といった声も聞かれる。今回の新製品について、同社では「ますます加速する高齢化の背景からも、顆粒剤のニーズは高まると考える。他社製品と競合しない50代以上をターゲットに、中高年ユーザーのシェア拡大を狙いたい」とする。
「後藤散いたみどめ顆粒G」のパッケージは、従来品のブランドカラーである赤を踏襲し、ひと目でブランド認知しやすくしている。販促面では、6月頃に九州地区(主に福岡を中心)でTVCMを投入する予定。