
スギ訪問看護ステーション林寺
ドラッグストアのスギ薬局などを展開するスギホールディングス(本社安城市、杉浦広一氏)の傘下企業で、在宅医療事業などを手がけるスギメディカル(本社東京都、社長荒井恵二氏)は、大阪市阿倍野区のスギ薬局林寺店内に「スギ訪問看護ステーション林寺」を開設した。ドラッグストア企業の本格的な訪問看護ステーション開設は初の試みで、今後の展開が注目される。

杉浦氏
ステーション内で行われた開所式で、あいさつしたスギホールディングス代表取締役副社長の杉浦昭子氏は、スギ薬局として現在、約2000人の在宅医療患者に対応していることを説明した上で、「スギ訪問看護ステーションを設置することで、薬剤師と看護師が連携をとりながら、医師と共に地域医療を支える取り組みをしたいと考えた。その思いが、今回の1号店として実現したことを嬉しく思う。ここで一つひとつ経験しながら、在宅医療のように地域に根ざして喜ばれる支援活動を広げていきたい」と抱負を語った。

荒井氏
荒井社長も、「訪問看護ステーションの構想は2年半前に持った。目指すのは地域医療を支える中心的支援施設。ドラッグストアと調剤薬局、訪問看護ステーションが、一つの建物に入っているのは全国初だと思う。この訪問看護ステーションから、地域の介護と福祉と医療を支えていく役割を担っていきたい」と意気込みを語った。
スギHDグループは、2010年度までに調剤併設ドラッグストア店舗数1000店を掲げている。かかりつけ薬局として数年前から、TPN(中心静脈栄養法)、疼痛管理などの在宅医療にも取り組んできた。看護師が常駐する訪問看護ステーションは、12年度までに関東・中部・関西に100拠点の開設を目指している。薬剤師と連携を図ることを通じて、専門性の高い訪問看護の機能を備えた「地域のトータルヘルスケアステーション」を構築する考えだ。
第1号店の林寺には看護師4人が常駐。対象エリアは、大阪市内11区と東大阪市、八尾市。営業時間は月0土の午前9時0午後6時まで、休日は日曜と年末年始(12月2901月3日)。営業時間外や休日には、電話による365日24時間連絡可能な体制が敷かれている。