第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会副会長
川上純一
福岡県薬剤師会副会長
成重賢司
薬剤師の業務は、基本的な調剤を疎かにすることなく礎とし、モノからヒトへとシフトする中、安心、安全な薬物療法を来局者、患者に提供する必要がある。
日頃の業務において、タスクシフトしながらも「安全」は至極当然であり、様々な監査をすり抜けて過誤を招いてしまわないよう努力している。「To err is human(ヒトは誰でも間違える)」とあるが、過誤をゼロに近づけるための様々な確認作業は時間も必要となる。機器等を活用することで、対人業務充実へとつなげられるよう議論したい。
本分科会では、最初に慶應義塾大学薬学部の山浦克典教授から、「薬局のヒューマンエラー今むかし」と題して、医療安全が求められた時代から現状までの約30年間の環境等の変化について基調講演をいただく。
次に、超高齢社会の進展に伴い腎機能の低下した患者が増加している中、適切な処方監査の必要性について「薬局薬剤師の視点で開発された腎機能を考慮した処方監査システム」と題して、熊本大学大学院生命科学研究部・薬学部臨床薬理学分野の近藤悠希准教授に講演をいただく。
さらに、対人業務へとシフト変更する上で、業務の効率化と共に安全性が求められる中で自動化、機器の活用について「ロボット導入やクローズドループ設計思考による調剤の安全性支援」と題してユヤマ学術部の森和明部長に、「保険薬局への自動入庫払い出しシステム導入による調剤過誤低減と将来展望」と題して日本ベクトン・ディッキンソンメディカルアフェアーズの東坂秀作マネジャーに講演をいただく。
(成重賢司)