
脳内移植用細胞バイアル
サンバイオは、交通事故や転倒などによる外傷性脳損傷に伴う運動麻痺(慢性期)の改善が期待される再生医療等製品「アクーゴ脳内移植注」(一般名:バンデフィテムセル)の販売を21日に開始した。同製品の対象は、受傷後6カ月以上が経過し運動機能障害が固定し、運動麻痺の原因となる病変をMRIなどで確認できた中等度から重度の患者が対象。これまでの薬物治療による機能障害の根本的治療は難しく、慢性期患者ではリハビリでも回復が難しいケースが多くあった。同製品は、間葉系細胞移植により脳神経に直接作用し、脳神経回路を回復させることが見込まれる。
治験では、移植実施群が無実施群に比べ運動機能が有意に改善し、同社は2024年7月に条件・期限付承認を取得した。その後、治験製品との品質の同等性・同質性評価を当局から求められ、その確認試験を同社は進め、一部変更承認を25年12月に取得。今年5月20日付で薬価収載に至った。薬価は7271万6528円。単回投与。同製品による治療は、入院から退院までは1週間程度、手術時間は3~5時間程度だという。
同製品は、健康なドナーの骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養した後、神経再生能力を高めるための遺伝子を導入して作られる。脳内の損傷した神経組織に移植することで、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進することで、効果を発揮すると考えられている。
同社は、治療実施に向け希望患者の状態をMRIなどで確認する連携施設、手術(移植)施設、移植後のリハビリテーション施設などの治療体制整備を進めている。適応の可能性があれば連携施設でMRI検査などを受け、適応と判断されれば、治験を実施した北海道、東京、神奈川、大阪、岡山の大学病院の5施設を中心に移植を実施。終了後はリハビリテーション施設で機能回復を図る治療パスウェイを描く。
同日に医療従事者向けサイト向けサイトを開設した。また患者側から適応か否かを知りたいなどの問い合わせを受ける「細胞治療相談窓口」を開設した(TEL0120.653.481、受付時間9~18時〈土日祝除く〉)
「本承認」に向けた製造販売後臨床試験は、審査報告書によると、目標症例数は42例(アクーゴ群28例、対照群14例)で、試験実施施設数は5~7の手術施設、10~21のリハビリテーション施設で行うことが計画されている。
販売に当たり、森敬太社長は「この成果を新たな出発点として、一人でも多くの外傷性脳損傷や脳梗塞の患者さんとご家族にとって前向きな一歩につながることを目指し、米国での展開や脳梗塞での適応拡大を推進していく」とのコメントを発表した。

















