島津製作所は7月15日、体外診断用医薬品「Ampdirect 感染性ぶどう膜炎病原体検出キット」を発売した。同製品は感染性ぶどう膜炎の診断補助を目的とした日本で初めての体外診断用医薬品で、昨年10月9日に製造販売承認を取得し、同社は現在、保険適用に向けた活動を進めている。同社独自のリアルタイムPCR技術「Ampdirect」を用いて、眼から採取した検体(前房水または硝子体)に対して、感染性ぶどう膜炎の病原体のうち、PCR法が有効な9種の核酸の有無を一度に検査できる。
同製品は、先進医療で用いられてきた研究用試薬「ヘルペス・梅毒・トキソプラズマ症病原体検出キット」がベースとなっている。研究用試薬は、東京医科歯科大学(当時)、理化学研究所、大分大学との共同研究の成果をもとに産学連携で開発された。
同製品の承認申請に係る医師主導臨床性能試験は、日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究プログラムの支援のもと、大分大を中心に全国61施設の協力を得て実施され、その成果は今年4月2日に日本眼科学会の英文機関誌「Japanese Journal of Ophthalmology」に掲載されている。
Ampdirect技術は、PCR阻害物質の作用を抑制し、DNAやRNAを抽出・精製することなく、検体をPCRの反応液に直接添加できるため「検査の省力化」「検出時間の短縮」「検査コストの低減」に貢献できる同社独自開発の技術となっている。
同社は約30年前から、この技術を用いた大腸菌やサルモネラ属菌、赤痢菌、ノロウイルスの検出試薬の研究開発に取り組んできた。2020年以降は新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット(変異型用・体外診断用医薬品を含む)を開発してきた。26年4月からの新中期経営計画においても感染症の迅速診断などクリニカル市場向けの事業拡大を目指している。
なお、9種の核酸は、▽単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、▽単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、▽水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、▽エプスタイン・バーウイルス(EBV)、▽サイトメガロウイルス(CMV)、▽ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、▽ヒトT細胞白血病ウイルス1型プロウイルス(HTLV-1)、▽梅毒トレポネーマ・パリーダム、▽トキソプラズマ――となっている。




















