◆「涙が一滴出た」――。エーザイの内藤晴夫CEOは7日の記者会見で、早期アルツハイマー病(AD)治療薬レカネマブが米国で迅速承認されたと知らせを受けた時のことを、こう明かした。その場面は歴史のページがめくられる瞬間を見たように思えた
◆内藤氏は「これ話していいですかね」と言って話し始めた。7日午前4時近く、寝ていた内藤氏は枕元で鳴った携帯電話を取る。相手はアイヴァン・チャン常務執行役。「コングラッチュレーションズ」の声。左の目尻が涙で湿っていた
◆「アリセプト」誕生前から同社の抗認知症薬研究は約40年にわたる。チームは粘りに粘り、内藤氏はリードし続けた。そして新しい治療の道が開く。それを内藤氏の右腕と称されるチャン氏が告げ、「普段なかなか涙は出ない」と言う内藤氏が涙を流した
◆この話を引き出したのは抗認知症薬研究の挑戦の歴史を綴った「アルツハイマー征服」著者の下山進氏だったのは何かの巡り合わせか。承認の知らせを受けたこの場面は業界で語り継がれていくのではないか。
「涙が一滴出た」
2023年01月18日 (水)
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