全ての副作用情報を閲覧‐オウンドメディアとリンクも
インテージヘルスケアは、安全対策の必要性を検討できる独自システムを提供し、製薬企業の副作用対応における先手を打った安全対策を支援する。医薬品有害事象情報システム「CzeekV」は医薬品医療機器総合機構(PMDA)や米FDAの大規模有害事象自発報告データベースに集積されている副作用情報を参照でき、同種同効薬のデータを含め安全性シグナル評価に活用できる。製造販売後調査により収集した症例のみの対応から脱却し、海外と同様にデータベースを活用したシグナルマネジメントを通じて、疾患や患者背景で発現しやすい副作用などを把握できるようにし、安全性管理に役立てたい考えだ。
「CzeekV」は、医師・薬剤師が国内の副作用自発報告データ「JADER」、全世界の自発報告データ「FAERS」を閲覧可能なサービス。例えば薬剤名を検索すると、現段階で報告されている全副作用項目名や各項目の報告件数が表示される。薬剤と副作用/適応症項目のペアによってさらに詳細な状況が確認できる。
同社は医療現場で活用されている同システムを製薬企業の医薬品安全性監視活動におけるシグナルマネジメントにも利用してもらうよう広く訴求していく。当局への報告件数に加え、医薬品副作用の関連性を検知するスコア値テーブルや、オプション機能の処方患者推計数等がシグナル優先順位づけにおけるシグナル検出・検証プロセスに適用できる。
さらに同種同効薬の報告件数やシグナル有無・スコア値、同種同効薬も含めた副作用発生までの期間・転帰の傾向などを検討してもらい、安全対策の必要性を判断するためのシグナル評価につなげる。
製薬企業のオウンドメディア(OM)と同システムをリンクさせる取り組みも始めた。APIと言われる機能を用いて、OMと「CzeekV」の間で機能を共有する仕組みを展開している。OM会員である医師や薬剤師は、OM内で「CzeekV」同様の機能を利用できるようになる。
デジタルマーケティングという観点で医師や薬剤師のコンテンツ利用ログデータをエビデンスとして活用できるメリットが大きく、「誰が、いつ、どのような薬剤を検索し、どのような有害事象をチェックし、どのような症例情報を参考としているのか」といった情報を把握できる。
マーケティングにおいて重要な競合薬と比較した情報も収集できるようにした。自社薬剤と競合薬剤の閲覧数、自社薬剤と競合薬剤で医師がそれぞれ注目している副作用などが解析できるログデータとなっており、臨床現場におけるポジショニングを理解する一助となる。
メディカルエビデンス事業部RWE部医薬品情報グループの五島誠氏は、「製薬企業と医療従事者が同じ目線で、中立性のあるデータでコミュニケーションを取ることに活用いただきたい。医薬品副作用の関連性についての疑問や探索についてはCzeekVを使ってファーストステップとして、例えばPV活動を進めていただき、製薬企業においてはその利用ログデータを用いてデジタルマーケティングに活用、DX戦略を展開していただきたい」と話している。
インテージヘルスケア(CzeekV)
https://www.intage-healthcare.co.jp/service/data-science/signal-management/system/