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【武田薬品・長谷川社長】研究開発は量から「質」に方向転換

2009年05月13日 (水)
長谷川社長

長谷川社長

 武田薬品の長谷川閑史社長は11日、2008年度決算説明会で会見し、自社の研究開発体制について「これまで、量とスピードに重きを置き過ぎた感があり、必ずしも結果に結びついていない」と厳しく評価。「今後は、質を重視した研究開発に方向転換し、継続的にアンメットニーズの高い独自製品を上市していきたい」との意向を示した。また、07年12月にFDAに販売許可申請した、ポスト「ピオグリタゾン」として注目される2型糖尿病治療薬「SYR‐322」について、「FDAから求められている心疾患のある患者を主とした追加臨床試験を、販売許可取得前に要求された場合には、通常の臨床試験とは違ってターゲットを絞ったものなので、短期間で仕上げたい」とした。

 昨年、癌領域の強化を目的に約8800億円で買収したミレニアムについては、「ミレニアムのベルケイドが売上高へ寄与(377億円)したほか、開発パイプラインの成功確率が向上するなど、確実に効果を上げている」と分析。「バイオクラスターの一つであるボストンに、ミレニアムが拠点を置いているメリットが予想以上に大きい。ミレニアムの買収は、FDAとの協議の実績はもとより、癌領域だけでなく、抗体、バイオ医薬品の研究開発にも寄与している」と評価した。

 米国では、今年1月に「プレバシド」後継品の逆流性食道炎治療剤「カピデックス」、2月には通風・高尿酸血症治療剤「ユーロリック」の販売許可を取得しするなど、成果を上げている。

 「SYR‐322」については、「追加臨床試験の実施を、販売許可取得前に行うのか、取得後でいいのか、現在のところ判らない」と説明。審査終了目標日は6月26日に予定されており、「臨床試験計画書については、既にFDAを協議を開始している。審査の結果、販売許可取得前に臨床試験を求められた場合でも、迅速に対応したい」との見解を示した。

 さらに、グローバルな運営対策についても触れ、「新たに研究開発統括職、海外販売網統括職、経営管理統轄職を設置し、現場に責任を持たせてスピード化を進めていきたい」との方針を示した。既に、カナダ、スペイン、ポルトガル、アイルランドにおける自社販売網の拡大が進行しており、ロンドン、シンガポール、シカゴに設置した地域エリア統轄本部が主体となるグローバル運営体制も構築している。

 米国市場については、「国民皆保険や政府の価格干渉など、オバマ政権が掲げる政策の影響以前に、景気後退の影響が著しい」と分析。「米国経済がV字回復するか否か諸説が飛び交っているが、いずれにしろ米国の医薬品市場の伸長は期待できない」との見方を示した。

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