日本の患者数17人のシスチン症の治療薬「シスタドロップス点眼液0.38%」(一般名:システアミン塩酸塩)が、ヴィアトリス製薬から発売された。
適応疾患は、腎、眼球、骨髄、リンパ節等、全身の組織へのリソソームへのシスチンの蓄積により発症する稀な常染色体劣性遺伝形式の先天代謝異常症。患者が最も多く、最も重症な腎障害型では2歳頃までにシスチン結晶が眼球角膜に沈着し、痛みや眩しさを引き起こし、未治療の場合には失明リスクもある。
それに対し同薬剤は、「シスチン症における角膜シスチン結晶の減少」に効能・効果を持つ薬剤として5月30日に発売された。
1日1滴、1日4回を点眼し、角膜シスチン結晶を抑制する。2歳以上に使用できる。薬価(1瓶)は25万6095.50円。中医協への提出資料によると、市場規模のピークは10年目で26人、販売額は3億5000万円と予測されている。
同剤は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対し、日本先天代謝異常学会、シスチノーシス患者と家族の会から開発要望が出されていた。3月26日に承認され、5月22日に薬価基準に収載され、発売に至った。
ヴィアトリスとしては2020年の事業開始後初めての先発品となる。