アステラス製薬は12日、国際戦略品と位置づけるCLDN18.2陽性の進行・再発胃癌の治療薬「ビロイ点滴静注用100mg」(一般名:ゾルベツキシマブ遺伝子組み換え)を新発売した。世界初の発売となった。薬価は100mg1瓶が5万4502円。
これまでの治験でのスクリーニングではCLDN18.2陽性患者は約4割。適応患者を同定するため、ロシュ・ダイアグノスティックスのコンパニオン診断薬を用いる。
治験成績は、同剤とCAPOX療法(カペシタビンとオキサリプラチンを組み合わせた療法)の併用療法の第III相試験(GLOW試験)では、プラセボ群と比べ、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)が疾患の進行または死亡のリスクを31.3%減少した。中央値は、ゾルベツキシマブ群で8.21カ月、プラセボ群で6.80カ月だった。
欧米でも承認申請しており、米国では5月に申請が受理された。同剤の申請について当初、米国食品医薬品局(FDA)からゾルベツキシマブのCDMO施設を査察した結果、未解決の指摘事項があるため審査期限までに承認できない旨の通知を1月に受け、再申請し、それが受理された形。