第57回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
山田卓郎
埼玉県薬剤師会常務理事
小林悟
2022年に大規模災害時の保健医療福祉活動にかかる体制の整備が実施され、保健医療福祉調整本部の構成員として災害薬事コーディネーターが明記されたが、災害時に薬剤師がどのような役割を果たせば良いのか、能登半島地震での支援活動を通して考えたい。
まずは災害薬事コーディネーターが保健医療福祉調整本部等において行う活動や求められる役割などの解説と、厚生労働省、都道府県による災害薬事コーディネーターの養成の取り組み状況や今後の方針について厚生労働省医薬局総務課薬局・販売制度企画室の東寛様にご紹介いただく。
元日に発生した能登半島地震は、能登半島という地形的な制約に大きな道路被害と建物の倒壊被害が加わり、これまで私たちが経験してきた震災時の支援活動とは違う対応が必要となった。日本薬剤師会としても今回初めて現地本部を設置して石川県薬剤師会の後方支援にあたったが、設置の経緯や現地での活動状況を日本薬剤師会災害対策委員会の越智哲夫委員長からご報告いただく。
また、石川県には災害薬事コーディネーターが配置されていなかったため、保健医療福祉調整本部内での災害薬事コーディネートについて石川県薬事衛生課(薬務主管課)との連携をDMATで代替し、石川県薬剤師会と協力のもと、被災地内への医薬品提供スキームや災害処方箋の取り扱いについて調整を行った愛知医科大学災害医療研究センター助教の柴田隼人先生に調整の経過、問題点や課題についてご講演いただく。
続いて地形的な制約と過酷な道路状況の中、そして出荷調整の状況下にも関わらず被災地に医薬品を切れ目なく供給していただいた石川県薬業卸協同組合の河村幸一様から当時の活動と今後の課題についてご報告いただく。
最後に今学会開催県である埼玉県から支援活動にご参加いただいた埼玉県薬剤師会災害対策委員会の水八寿裕先生からは、埼玉県薬剤師会における各班の編成に至る経緯や、後方支援について実際の行動等をご紹介いただき、今後の大規模災害発生時に薬剤師が担うべき役割について能登半島地震の支援活動を通して考えたいと思う。
(山田卓郎)