専門性とICT活用が強み‐製薬実務経験者がQA
川村インターナショナルは、「ICT(技術)と人(知識)の力を組み合わせ、最適な言語サービスを提供する」をテーマに、翻訳業務だけでなく、自社開発のAI翻訳ツールを活用し、クライアントの多様な翻訳ニーズに応える様々なサービスを展開している。翻訳・通訳やプロジェクトマネジメントのエキスパートが持つ豊富な経験とノウハウを生かし、翻訳工程のデジタル化や業務改善を支援している。
同社は1986年に設立。海外にも支店を持ち、AI翻訳ツールの開発にも取り組む翻訳会社である。2010年には、総合的品質管理(TQM)を取り入れた翻訳品質管理手法が東京都から「経営革新計画」として承認されるなど、品質へのこだわりを一貫して維持している。また、16年には機械翻訳サービスの提供を開始しており、競合他社に先駆けて対応した。同社の翻訳業務の強みは、「専門性」と「ICTの活用」にある。専門性においては、医薬品・医療機器・医学分野専門の制作チームを編成し、製薬業界の実務経験者が正社員として常駐しQAを担当。医療・医薬分野における高品質な翻訳サービスに必要な国際規格「ISO17100」の認証も取得している。
ICTの活用においては、TMSやCATツールの運用を標準化しており、大型プロジェクトではオンライン上で翻訳メモリや用語集をリアルタイムに共有することで、品質のバラツキや訳語不統一などのリスクを大幅に低減することが可能である。XTM、Trados、memoQなど、様々な翻訳支援ツール(CATツール)を標準的に活用し、品質、コスト、納期を最適化している。大手製薬会社からのCTD翻訳実績もあり、信頼性は申し分ない。
さらに、翻訳者の評価や品質改善のために、自社開発の独自翻訳品質管理システムを構築。PDCAサイクルと横断的な品質管理を実施し、産業翻訳に求められる特性を定量的に評価し続けている。
また、同社では自社開発した完全定額制のAI翻訳クラウドサービス「XMAT」(トランスマット)を提供している。DeepLやGoogleに加え、NICTが開発した国産の特化型エンジン「みんなの自動翻訳@KI」を含む複数の翻訳エンジンから最適な訳文を選択でき、1ユーザー月額5500円で翻訳文字数無制限で利用できるのが特徴である。機能面では、複数ファイルをブラウザ上で1クリックで簡単に翻訳できる「QuickMT」や、訳揺れなどを自動検出して訳文修正の負担を軽減する「QuickPE」などがある。
とあるメーカーの薬務部では、多言語翻訳の効率化を実現し、コストを約3分の1削減した。さらに、9月からは生成AIを活用した「文法校正」「要約・コピーライティング」「常体・敬体変換」機能がXMATに実装され、より効率的な翻訳作業が可能になった。
同社営業担当の葉山薫氏は、「XMATは21年のサービス開始以来、徐々に知名度が上がり、問い合わせも増えている。まずは2週間のトライアルを試してみてほしい。他にも、AIを活用した翻訳前後の工程の相談や、上流から下流まで一貫した翻訳支援ができる点が他社にはない強みである。弊社とタッグを組むことで、新しい可能性が広がるかもしれない」と語っている。
川村インターナショナル
https://www.k-intl.co.jp/