中外製薬の開発中品目の第I相試験段階で進展があった。その一つは、長く作用するよう設計された独自の抗体技術を用いた「RAY121」で、六つの自己免疫疾患を対象に同時開発する第Ib相試験段階に8月に進んだ。癌領域以外で、広範囲の疾患を一つのプロトコルで実施するタイプの試験は珍しい。早期から複数疾患を同時開発することで、早期の新規治療の実現を狙う。もう一つは9月に慢性疾患を対象に第I相試験を開始した「BRY10」で、同社独自のAI抗体創薬支援技術で創製した新薬候補として初の臨床入りとなった。
「RAY121」が8月にスタートしたのはグローバル第Ib相試験。22年10月第Ia相試験を開始し、作用と良好な安全性を確認したことから、抗リン脂質抗体症候群、類天疱瘡、ベーチェット病、皮膚筋炎、免疫介在性壊死性ミオパチー、免疫性血小板減少症を対象に第Ib相試験を行い、安全性と有効性を評価する。
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