ヤマハ発動機は、創薬研究に用いる細胞の取り扱い作業をAIにより正確に行えるようにする研究支援機器「CELLHANDLER2」を2025年3月に発売する。
これまで研究者個人の能力に依存していた細胞の選別、抽出などを自動化する。
同社は研究のスピードアップが期待されるとしている。
近年、iPS細胞などの幹細胞を用いた創薬研究や実験動物を用いない非臨床試験により薬効や安全性評価に細胞を用いるケースが増えている。
細胞研究では、細胞の取り扱いの効率化や精緻化、工程全体の自動化、省力化、デジタル化が求められている。
これら課題に、同機に搭載する細胞の輪郭を自動検出するAIなど最新技術で応えたい考え。細胞の吸引・吐出や観察、解析など、細胞を扱う研究の工程の効率化、精緻化が可能になるという。
具体的には、対象細胞ごとに最適化したAIにより、柔らかく壊れやすい細胞を、手動では困難な速度と精度で選択して高密度培養プレートへ一つずつ移動する。細胞周辺の撮影画像を自動でつなぎ合わせた全体の画像データを自動生成できる。
同機は、新薬候補の探索や細胞医療における培養などのプロセス開発に用いる。