日本化粧品原料協会連合会の主催により、14日からパシフィコ横浜で開催されていた化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2025)が16日、化粧品に関する新たな素材や技術を発信するなど大きな成果を上げて閉幕した。展示会ハイライトの1つ「CITEアワード」では、テクノーブルとジェイオーコスメティックスの両社が金賞を射止めた。

アワードの表彰式
CITEアワードは展示・紹介される原料、容器、サービス、技術などの中から、技術革新性やサステナビリティなどが優れているものを選んで表彰する仕組み。今回はエントリーした94社から、審査委員会が環境部門・技術部門でそれぞれ5社ずつに絞り込み、来場者の投票によって選出した。
その結果、金賞に選ばれたのは、環境部門ではテクノーブルの「海草コアマモのブルーアップサイクル」、技術部門がジェイオーコスメティックスの「サマープルーフUV」である。
テクノーブルは、農水省の委託プロジェクトで間引かれた海草のコアマモを有効利用するシステムを考案し、この海洋資源を活用する取り組みをブルーアップサイクルと名付けた。コアマモからテクノーブルが2種類のスキンケア成分を製造し、粘着関連製品企業のリンテックがコアマモおよび美容成分を抽出した残渣から混抄紙を製造するもの。同社は異業種とのコラボレーションにより化粧品原料を開発できたとし、サステナビリティーの新しい指標を提案したいと述べている。
ジェイオーコスメティックスは、ハウス食品グループとの共同研究により新しい日焼け止めを開発した。風味を舌の上に残すCrysFormというハウス食品の特許技術を用いて、紫外線防御剤とオイルを皮膚の上にシート状に固定化し、スムージングゲルで塗布時のなめらかさを付与した。高い耐久性とべたつきのない快適な使用感を達成した技術が高く評価された。