順天堂大学医学部附属順天堂医院は19日、手術ロボット「ダビンチサージカルシステム」の製造販売元である米国のインチュイティブサージカルの日本法人「インチュイティブサージカル合同会社」と、4月26日付けで日本初の「Total Program Observation Site(TPOサイト)を立ち上げについて基本合意したと発表した。

写真左より山路氏、グレン・バボーソ氏、滝沢氏
TPOサイトは、確立されたダビンチ手術プログラムを持つ医療機関が、ダビンチ手術を導入済み、または導入を検討している医療機関の医療従事者および経営層に対し、効果的なロボット手術プログラム運用に必要な要素をpeer-to-peer(直接的に)で包括的に学ぶ機会を提供するもの。
同サイトとして運用を開始するには、三つ以上の診療科でダビンチによるロボット手術プログラムを実施している、二つ以上の診療科でダビンチ手術見学サイトとして機能している、また、ダビンチのアドバンステクノロジーやデジタルテクノロジーを積極的に活用している、などの実績が必要となる。
順天堂医院は、2013年にダビンチを導入し、現在では10診療科で年間900件近いダビンチ手術を行っている。また、比較的進行した病態の患者にもロボット支援手術を適応していることは、同院の特徴の一つとなっている。 順天医院院長の山路健氏は今回の基本合意を受け、「医療経営が厳しくなりつつある日本において、ロボット支援手術をさらに拡大するためには、病院経営の観点でロボット導入が負担にならないことが重要で、当院のこれまでの知見を他の医療機関と共有すると共に、TPOサイトとしての活動を通じ、インチュイティブ社と共に課題解決に取り組んでいきたい」とコメントしている。
インチュイティブ社のSenior Vice President and President,Asia Pacificのグレン・バボーソ氏は、「順天堂医院は、日本のロボット支援手術のさらなる発展のための力強いパートナーだと感じている。TOPサイトが日本のロボット手術のさらなる発展に寄与するよう、当社は全力でサポートしていく」と述べている。
インチュイティブサージカル合同会社社長の滝沢一浩氏は、「順天堂医院のTPOサイトを通じ、医療現場の皆さんが目指す“治療成績の向上”“ケアチームの体験ならびに患者の満足度向上”“総治療コストの削減”に貢献できるよう、相互に協力していきたい」としている。
なお、TPOサイトはインチュイティブの米国、欧州、アジアの各マーケットで設立されており、日本での設立は初めてとなる。