富士フイルムは20日、超音波内視鏡検査時に膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出し、膵臓がんの早期発見をサポートする超音波内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-US01」を開発したと発表した。
同ソフトウェアは、AI技術を活用して開発された、超音波内視鏡診断を支援する医療機器として、日本で初めて承認された。これにより、内視鏡診断支援機能「CAD EYE」による病変検出の対象領域が従来の下部消化管・上部消化管から膵臓まで広がる。なお、今年内の発売を目指す。
同ソフトウェアは、超音波内視鏡画像を解析することで、膵臓が存在すると推定される領域を枠(領域ボックス)で囲って表示するす。同時に、膵充実性病変が疑われる領域を検出すると、リアルタイムにモニター上の対象領域を枠(検出ボックス)で囲って表示すると共に、報知音を発するなど、医師に対して視覚・聴覚で注意喚起することで、膵充実性病変の検出を支援する。
また、膵臓が存在すると推定される領域および膵充実性病変が疑われる領域の検出結果は、既設の内視鏡モニター上に表示される。「CAD EYE」専用のモニターを別途設置する必要がなく、検査中の医師の視線移動を抑制する。内視鏡システムとの連携を考慮した設計で、日常の検査ワークフローに溶け込む操作感を追求し、医師の負担軽減を目指した。
同ソフトウェアは、機能拡張ユニット「EX-1」にインストールすることで、超音波観測装置「SU-1」と超音波内視鏡「EG-740UT」「EG-580UT」を用いた検査時に使用できる。