アイパークインスティチュートは20日、Minaris Advanced Thrapies(MAT)と日立グローバルライフソリュージョンズ(日立GLS)と協業し、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)内にGMP/GCTPに準拠した賃貸型の「細胞培養加工施設」(CPC:Cell Processing Center)を新設し、11月から稼働させると発表した。
同施設は、スタートアップなどの企業が自由に使えるレンタルクリーンルーム、細胞医薬品の治験薬製造が主な対象となる。施設の管理と品質保証のサービス提供はMATが、クリーンルームユニットは、初期導入が容易で、増設もしやすいモジュール型CPCを日立GLSが納入する。また、アロイ・セラピューティクスがユーザー候補の立場から、施設の設計とオンデマンドサービス方式の製造・品質管理のシステム構築に知見を提供した。
細胞医薬品の研究開発では、前臨床研究から初期製造へのズムーズな移行が重要で、スタートアップなどの企業ごとに様々な製造戦略が立てられている。自社でGMP/GCTPに準拠するCPCを設けて運営するには、高額な費用と専門性の高い人材が必要となる。また、開発初期からCDMOに製造を委託する場合、費用と時間の面が開発スピードや資金調達に不釣り合いとなる状況もある。
こうしたことから、製造戦略の第三の選択肢として、オンデマンド型レンタルCPCが英国や米国では10年以上前から利用されてきた。アイパークインスティチュートがMATと提携することで、臨床後期・商用製造へのシームレスな製造戦略オプションを提供することも可能となる。