◆高額療養費制度見直しの検討が始まり、いくつかの取材を思い出す。一つは国会議員室を飛び込みで訪れ、日本にない薬を使えるようにしてほしいと説明する患者家族の姿。扉から顔を覗かせる秘書に説明を1分。その日は約30人の部屋をノックし続けた
◆別の難病患者の声も耳に残る。希少な造血器疾患の発作性夜間ヘモグロビン尿症の男性。約20年前の発症当時、15分の通勤で何度も道端に座り込むほどの症状、毎月の輸血、その後の月2回の点滴など過去の治療を振り返り、経口薬の新薬登場を「夢のよう」と喜んだ。諦めていたギターを習い始めたという
◆この男性患者は、他の希少疾患患者に呼びかけた。「諦めてはいけない。希望を持っていれば必ず光は差す」。ある医療的ケア児の家族は「疾患関連の研究が行われているという事実は患者と家族の希望。何もされていないことは絶望的」
◆待ち焦がれた新薬は希少疾患ゆえ高価になる。その新薬へのアクセスが経済的理由で閉ざされるのは、希望を絶望に変える。そう強く思う。
新薬は希望
2025年06月25日 (水)
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