TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

ニセ薬への対策強化を表明‐IFPMA・ベール理事

2006年09月19日 (火)

 国際製薬団体連合会(IFPMA)理事長のハーベイ・ベール氏は大阪市で行われた日本製薬工業協会総会で講演し、製薬産業の重要な課題として、[1]ニセ薬対策[2]医薬品へのアクセス向上[3]医薬品プロモーション活動の適正化――の3点を解説した。偽造された薬が世界各国で発見される事例が急増しているとし、その情報収集と共有化を推進すると強調。医薬品の偽造は重大な犯罪行為だとし、各国に厳しい措置をとるよう求めていきたいとした。また、発展途上国で多くの人がHIV、結核、マラリアなどで死亡している問題の改善に向け、官民が連携して取り組むことが重要と語ったほか、改訂したプロモーションコードを2007年1月から実施する方針も示した。

 ニセ薬の現状についてベール氏は、▽米国では、空港や港におけるFDAの調査によって、ニセ薬の流入増加が確認されている▽製薬会社約20社による調査によると、05年のニセ薬発見件数は、04年に比べは40%増加した▽途上国では、特にマラリアのジェネリック医薬品のニセ薬が増えている――などと説明。ニセ薬の発見件数が多い国として、ロシア、中国、韓国、ペルー、コロンビア、米国、英国、ウクライナ、ドイツ、イスラエルの10カ国を挙げた。

 医薬品の売り上げに占めるニセ薬の割合としては、「発展途上国で頻発しており、10%を占めるという見方もあるが、そこまでは達しておらず、102%程度だと捉えている」とし、現段階では先進国におけるリスクは小さいものの、「今後そのリスクが増すだろう」と危機感を募らせた。

 ベール氏は、薬価の安い国から高い国に並行輸入されるルートを通じて、ニセ薬が流入しているとし、再梱包やインターネット取引の規制強化などを課題に挙げた。また、規制当局の監視体制が弱く、罰則や法執行も十分でないという現状を改める必要があるとし、厳しい措置をとるよう求めたいと語った。

 さらにニセ薬の事例を収集し、各社が情報を共有化して対策を講じる取り組みを進めたいとし、報告様式のハーモナイゼーション、各国の行政機関、国際的な警察機構との連携を強化していく考えも明らかにした。

 一方、医薬品へのアクセス向上については「HIV、結核、マラリアで1日に2万人が死亡している。発展途上国において、質の高い医薬品へのアクセスが課題となっている」と指摘。この解決に向けて製薬産業は、寄附、価格優遇、研究開発の推進、特許の供与などを実施し、政府が財政的な支援などを行う「官民パートナーシップ」が機能し始めていることを紹介。今後はこうした連携を、長期的な視点で計画することが重要とした上で、医薬品の関税引き下げ、臨床試験のインフラ改善、承認の迅速化などが発展途上国に求められると述べた。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術