島津製作所は29日、分析天びん「AP W-AD exシリーズ」4機種と「AP W exシリーズ」4機種を発売した。両シリーズは、普及機種「APシリーズ」(2017年発売)および、オートドアやタッチレスセンサ搭載のハイエンドモデル「AP W-ADシリーズ」(21年発売)の最小計量値20mgを、市販されている分析天びん(最小表示0.01mg)では業界最高水準の性能となる13mgに向上させている。
新製品の特長は、重量を検出する機構および制御ソフトウエアを改良し、計測の安定性と繰り返し性が向上していることが挙げられる。これにより、日本薬局方における最小計量値を出荷時検査にて従来の20mgから13mgへと改善して、最小表示0.01mg分析天びんでクラス最高水準の値を実現している。
また、サンプルが入った容器を、計量皿から浮かして保持できるスマートホルダを標準付属している。メスフラスコなどの容器への直接計り取りがスムーズになっている。薬包紙からの移し替え作業を省略できるため、計量作業の効率化だけでなく、コンタミネーションを防ぐことができまる。イオナイザからのイオン照射の死角となりやすいガラス容器などの底面も効率的に除電できる。
「AP W-AD exシリーズ」は、タッチレスセンサキー・スマートオートドアによって、サンプルやスパチュラ(へら)を持ったまま作業できるため、操作性は高く、業務効率を高まっている。また、天びんに触れる機会を減らせることから、感染対策や安全性確保につながる。
国内外の医薬品・原薬メーカーからの要望があり、最小計量値の小量化は分析天びん業界における近年の潮流になっている。分析天びんの最小計量値は、欧米や日本の薬局方の検査手順に基づいた繰り返し性試験から求められる値。日局では、第18改正第2追補(24年6月28日告示)で要件が追加されている。
価格は、「AP W-AD exシリーズ」が116万2000円~185万円(税込み)、「AP W exシリーズ」が68万9000円~119万9000円(税込み)。販売目標は100台(両シリーズ合計、国内外合わせて発売後1年間)













