島津製作所グループの島津産機システムズは1日、ヘリウム・水素リークディテクタ「MSE-2600シリーズ」を発売した。同製品は、島津製作所製ターボ分子ポンプを初めて同社製リークディテクタに搭載したことで、最高級の性能を実現している。
島津産機システムズは、同社製の質量分析ユニットを生かしたヘリウム・水素リークディテクタにおける国内のパイオニアメーカー。同社のリークディテクタは、製品や設備の微細な穴からの漏れ(リーク)を質量分析技術で検出する漏れ試験器。トレーサガスとしてヘリウムもしくは水素を用いる、最も高感度な漏れ試験の装置で、自動車や半導体、医療機器、空調機器、電子部品、配管・計器類、家電(冷蔵庫、魔法瓶ほか)、消火器など高い気密性が求められる製品の製造・品質管理に使われている。
「MSE-2600シリーズ」は、業界最高の排気速度やバックグラウンド回復機能を有している。加えて、試験法の一つであるスニッファ法において、従来見逃されがちだった吸込み口から離れたリークも検出しやすくなっている。
主な特長としては、ヘリウムもしくは水素の排気速度は毎秒5.2リットルで、汎用型リークディテクタとしては世界最高水準であることが挙げられる(2025年11月現在)。こうした排気速度の向上により、ガスを吹き付け始めてから漏れ量を感知するまでの応答時間(検査時間)を従来機種から約4割短縮できている。
また、ヘリウムは安全で扱いやすいものの、近年は価格が高騰しており、換わりに使われる水素には、真空排気時に発生する水素イオンが測定時の阻害物質となる難点がある。同社のリークディテクタは、水素イオンだけを高精度に検出できる構造になっており、同製品は、イオン化エネルギーの最適化によって不要な水素イオンの発生を抑えて、バックグラウンド(ノイズ)を約30%低減させている。
さらに、スニッファ法とは試験体内部にトレーサーガスを加圧封入し、外部に流出するトレーサーガスを吸引して測定する方法で、同製品上部に専用ユニットを取り付けることで、吸込み量を4000SCCM(ガス流量の単位、毎分cm3)へと従来比130倍以上に増やし、検出できる距離は標準品取り付け時の40倍(1mmから40mm)に向上している。
価格は220万円から(税込)。販売目標は国内外、発売後1年間で600台。
同社は3~5日、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる真空機器・真空装置の展示会「VACUUM真空展2025」、17~19日に同所で開かれる半導体産業における製造技術、装置、材料の展示会「SEMICON Japan2025」に同製品を出展する。












