富士フイルムは15日、超音波内視鏡検査時に膵臓がんに代表される膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出し、膵臓がんの早期発見をサポートするている超音波内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-US01」を、富士フイルムメディカルを通じて発売する。同ソフトウェアは、AI技術を活用して開発された、超音波内視鏡診断を支援する医療機器として、日本で初めて承認されている。
同ソフトウェアは、同社の超音波内視鏡・超音波観測装置・プロセッサーを組み合わせて使用することで、膵臓がんの早期発見をサポートするもの。
超音波内視鏡画像を解析し、膵臓が存在すると推定される領域を表示する膵臓認識支援機能と、膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムに検出する膵充実性病変検出支援機能を搭載。その結果をモニターの超音波内視鏡画像上に表示して、術者に注意喚起することで膵充実性病変の検出を支援していく。
また、医師の負担軽減を考慮し、内視鏡システムと一体化した操作背を追求している。膵臓が存在すると推定される領域および膵充実性病変が疑われる領域の検出結果は、既設の内視鏡モニター上に表示される。「CAD EYE」専用のモニターを別途設置する必要がなく、検査中の医師の視線移動を抑制する。内視鏡システムとの連携を考慮した設計で、スコープスイッチや超音波観測装置のキーボードから両機能の「ON/OFF」切り替えが設定できるなど、日常の検査ワークフローと一体化した操作感を追求し、医師の負担抑制を目指されている。
さらに、同ソフトウェアは、機能拡張ユニット「EX-1」にインストールすることで、超音波観測装置「SU-1」と超音波内視鏡「EG-740UT」「EG-580UT」を用いた検査時にプロセッサー「EP-8000」「VP-7000」「EP-6000」と組み合わせて使用できる。
同社は、AI技術を活用して病変の検出や鑑別を支援する内視鏡診断支援機能「CAD EYE」の提供を通じ、医師の診断精度向上と業務効率化に取り組んでいる。
2020年に大腸内視鏡検査におけるポリープなどの病変検出・鑑別を支援するソフトウェア「EW10-EC02」を、22年には胃腫瘍性病変や食道扁平上皮癌が疑われる領域を検出するソフトウェア「EW10-EG01」を発売し、日本国内の1000を超える施設に導入が広がっている。
また、医師の業務負担軽減を目指して開発した、下部内視鏡・上部内視鏡の検査レポート作成を支援する機能も提供している。今回、同ソフトウェアを発売することで、「CAD EYE」による病変検出の対象領域が、従来の下部消化管・上部消化管から膵臓にまで広がった。




















