厚生労働省医薬食品局安全対策課は5月29日付で、経口腸管洗浄剤のリン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム(販売名:ビジクリア錠)の添付文書改訂について、日本製薬団体連合会に通知し、副作用として急性腎不全等が報告されていることを使用上の注意に記載するよう要請した。
ビジクリアは、大腸内視鏡検査の前処置として腸管を洗浄する内用薬。
通知は、警告項目に、急性腎不全や急性リン酸腎症が現れることを追加し、事前に十分な問診・観察を行って、高リスク者には慎重に投与するよう指示。高リスク者には、▽高齢者▽循環血液量の減少、腎疾患、活動期の大腸炎患者▽腎血流量・腎機能に影響を及ぼす薬剤の使用患者を――を挙げた。
また、検査の前処置によって脱水状態が現れることがあることを踏まえ、従来から記載していた同剤服用時の飲水に加え、同剤の服用前後に適度な水分摂取を行うことを重要な基本的注意欄に記載するよう求めている。
このほか同課は、同日付の事務連絡で、次の5薬品の添付文書改訂を要請した。
[1]ブロナンセリンの重大な副作用に無顆粒球症と白血球減少を追加
[2]エタネルセプト(遺伝子組み換え)の重大な副作用に心不全を追加
[3]アムルジビシン塩酸塩の警告欄に間質性肺炎による死亡事例を記載し、慎重投与項目に間質性肺炎・肺線維症患者を追加
[4]エルロチニブ塩酸塩の慎重投与項目に消化管潰瘍・腸管憩室のある患者等を追加し、重大な副作用項目に皮膚粘膜眼症候群・消化管穿孔・角膜穿孔等を追加
[5]ペグインターフェロンα‐2a(遺伝子組み換え)の重大な副作用に貧血を追加