テルモは1月から、「ベノジェクトII真空採血管RAPClot(ラップクロット)」を、全国の医療機関向けて販売を開始した。真空採血管としては世界で初めて蛇毒由来のRAPClotを凝固促進剤として採用することで、ヘパリンを加えた血液を含め、約5分という短時間での血液凝固を実現し、生化学検査に携わる医療従事者の業務負荷軽減を目指したものとなっている。
同製品は、短時間での血液凝固を可能とし、外来で採血から診察までの時間を短縮するなどの効果が期待される。
同製品は、血液凝固に蛇毒由来のRAPClotを用いている。蛇から採取される一般的なエカリンは高価で、安定供給にも課題があったが、Q-Sera社が開発したRAPClotは、遺伝子組み換え細胞技術による大量生産が可能なため、エカリンと同等の性能を維持しながら、安価で安定的に供給できる。
同社は、Q-Sera社とRAPClotの国内独占販売契約を締結した上で、採血管の内側全体にRAPClotを噴射してコーティングする独自技術を確立し、「ベノジェクトII真空採血管RAPClot」を実現した。
従来の高速凝固採血管は高価であったため、全検体への使用が困難で、ヘパリン加血などの固まりにくい血液や、ICUでの利用など特定用途に限定されてきた。そのため、医療現場では複数の採血管を使い分ける必要性が生じ、オペレーションや在庫管理の複雑さにつながっていた。
また、従来の製品では血液によって凝固時間にばらつきがあり、採血後に凝固状態の目視確認作業が複数回発生したり、凝固が不完全な状態で検査を開始し、不純物の除去などの手間がかかったりする場合があった。
同製品は、約5分の高速凝固と従来品からのコスト低減を両立することで、様々な検体への使用が可能になり、採血管の在庫管理の簡易化や誤使用防止が期待される。
「ベノジェクト」は、1964年に発売された日本初の国産真空採血管で、血液検査の検体採取に広く利用されている。シリーズ製品の「ベノジェクトII」は、唯一のフィルムシール栓を採用した採血管として発売されている。


















