NECと弘前大学はこのほど、AIと健康ビッグデータを活用し、約10年先の健康状態の変化を個人ごとに予測する共同研究の検証結果を報告した。予測値と実測値の相関性が高く、高い予測精度を確認にした。これにより、個人ごとの将来の変化を効率的かつ精度高く捉えられるようになるため、一人ひとりに合った健康づくりや予防的な健康行動に役立てることが期待される。
共同研究では、同一人物の長期間追跡したデータがなくても、年代の異なる多くの個人の単年度の健康データを使って学習し、将来の健康状態の変化を予測できるNECの長期予測AIを活用した。
また、弘前大が青森県弘前市などと共同で、20年以上にわたって実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の健康ビッグデータを活用した。このデータは、身体機能・認知機能・生活習慣・食事・心理など約3000項目の多面的かつ網羅的な情報を個人ごとに収集した、延べ3万人のデータから成り立っている。
今回、60~65歳時点の健康データを起点とし、3年後・6年後・9年後の健康状態をそれぞれ予測した。血圧、血糖、脂質、BMI、握力、歩行速度、認知機能など、生活習慣病や身体機能、認知機能にかかわる複数の指標について、予測値と実測値を比較し、精度を評価した。
その結果、予測値と実測値の相関係数は0.67と相関性が高く、高い精度で予測できていることを確認した。また、従来の「予測期間分だけ年上の年齢層の平均値を将来値とする手法」(相関係数0.13)と比べ、大幅な改善を確認した。これにより、平均的な予測では捉えにくい、個人ごとの将来の変化を把握できる可能性が示された。
この手法によって、将来の健康リスクの高まりを早期に予測し、生活習慣の改善や予防施策につなげるなど、先手を打った健康づくりが可能となる。また、自治体では、地域住民全体の将来の健康状態を見据えた施策設計や、費用対効果の高い介入先の選定への活用も期待される。
両者は今後も、関連技術の研究開発と社会実装をさらに推進し、個人と地域の健康づくりの高度化に取り組んでいく。
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