一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)の一般消費者向け医療機器等研究会はこのほど、医療機器等に係る国民のヘルスリテラシー向上のための課題と具体的解決策の提案などを整理した「報告書」をまとめた。23日付けで医機連ウェブサイトに掲載された。
報告書では、eコマース(電子商取引)やSNSの普及により、医療や健康に関する情報が氾濫し、消費者が正しい情報を選別しにくい状況にあると現状を分析。こうした現状に対して「国民が、医療機器等の性能や使用方法に係る正しい情報に基づいて、医療機器等を適正に使用して、自ら主体的に健康を保持・増進するために正しい行動をとる」という「医療機器等に係る国民のヘルスリテラシー」を向上させることが必要だとしている。そして、このヘルスリテラシー向上のためには(1)良質な医療機器等(報告書では医療機器と非医療機器の総称)が提供されること、(2)医療機器等の正しい情報が提供されること、(3)正しい情報に基づく医療機器等に関する正しい選択、容易なアクセス、適正使用可能な環境が整っていること――という3つの基本的な考え方に基づき具体的な活動を進めることが重要であるとしている。
その上で、医療機器等とヘルスリテラシーを巡る課題と具体的解決策を(1)広告規制、(2)品質・安全確保と新技術対応、(3)eコマース対策、(4)普及促進と啓発――の面から提案している。広告規制については、医療機器が医薬品と同様の枠組みで規制されている点を課題として挙げた。医療機器は人体への影響の程度が製品ごとに異なるにもかかわらず、適正使用に必要な情報提供まで広告として制限される場合があり、消費者の理解を妨げていると指摘、広告と情報提供を明確に区分することを提案している。さらに、医家向け医療機器の広告を原則解禁し、禁止すべきものを明確にするブラックリスト化も提案している。また、現状「医薬品等適正広告基準」が適用されている医療機器の広告規制に対して、医療機器の特性を踏まえた「医療機器適正広告基準」を新たに策定し、虚偽や誇大な広告を防止しつつ、正確で十分な情報提供を可能にする制度構築の必要性を示している。
品質・安全確保と新技術については、無承認品や模造品、耐用年数を超えた中古家庭用医療機器の流通が、消費者安全上のリスクになると指摘。加えて、SaMD(医療機器プログラム)など新技術を用いた医療機器の登場により、現行の薬機法や制度運用では承認や広告、事業展開の予見性確保が難しいケースがあると分析。新技術の特性に応じた制度設計や運用改善の重要性を挙げた。さらに、一般消費者が医療機器等に容易にアクセスし、適正に使用できる環境づくりに向け、医療機器等の購買に対する優遇税制や公費による助成制度、医療機器等によるセルフメディケーションの啓発活動の必要性にも言及している。
報告書の「おわりに」では、「今後、医機連としては、一般消費者向け医療機器等が国民の健康保持増進に寄与できるよう、政府と協働しつつ、業界活動として取り組んでいく必要がある。報告書の提案が、今後、実現していくことによって、ヘルスリテラシーの向上を通じて国民の健康・医療に貢献していくことを願っている」と結んでいる。
医機連は、2024年6月、医療機器産業の在り方と今後の方向性を示す「医機連産業ビジョン」を作成・公表した。同ビジョンでは、「いつでもどこでも安心して受けられる医療健康への貢献」をキーメッセージとして、それを実現するための7つの基本方針が示されたが、その1つが「国民のヘルスリテラシーの向上」である。
一般消費者向け医療機器等研究会は、このビジョンに掲げられた「国民のヘルスリテラシーの向上」と、それによって医療機器等が国民の健康保持・増進に貢献できるような環境づくりのための方策を検討することを目的に設けられた。昨年4月2日に第1回会合を開き11月19日の第10回会合で報告書案を検討、このほど報告書としてまとまった(報告書の表紙に印刷された日付は2025年12月3日となっている)。
当ウェブサイト:【医機連】B to C研究会、3月に報告書、2026年01月14日(水)参照。
資料:https://www.jfmda.gr.jp/activity/committee/BtoC_Report/
| 氏名 | 所属企業 | 所属団体 |
|---|---|---|
| 原浩之 | 株式会社白寿生科学研究所 | (一社)日本ホームヘルス機器協会 |
| 鳥海忠 | メディテクノジャパン株式会社 | (一社)日本ホームヘルス機器協会 |
| 佐藤誠 | ニイガタエイド株式会社 | (一社)日本補聴器販売店協会 |
| 成沢良幸 | リオン株式会社 | (一社)日本補聴器工業会 |
| 木下勝美 | (一社)日本コンタクトレンズ協会 | |
| 鹿妻洋之 | オムロンヘルスケア株式会社 | (一社)電子情報技術産業協会 |
| 青木幸生 | 丸木医科器械株式会社 | (一社)日本医療機器販売業協会 |
| 石田万都香 | ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 | (一社)日本分析機器工業会 |
| 安田直聖 | 株式会社Picture Technology | (一社)日本眼科医療機器協会 |
| 和田翔雅 | オカモト株式会社 | 日本コンドーム工業会 |
| 飯塚正隆 | アルケア株式会社 | (一社)日本医療機器テクノロジー協会 |
| 小山謙太郎 | 株式会社ヨシダ | (一社)日本歯科商工協会 |
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