7月28日に熊本県熊本地方で発生した大地震は「2026年熊本地震」と命名された。発災以降、その甚大な被害が明らかになると共に、断水、停電などインフラの寸断に加えて酷暑日を記録するなどの猛暑に襲われ、被災者の避難生活は厳しい状況が続いている。災害関連死も出てきたようだ。熊本は、10年前の「16年熊本地震」の被災状態から、やっと抜け出しかけた矢先であった。
同21日には、「経済財政運営と改革の基本方針26」(骨太の方針)が閣議決定された。骨太方針では、第2章・3国民の安全・安心の確保で、防災・減災・国土強靱化の推進について、激甚化・頻発化する自然災害やインフラ老朽化等の危機から、現在と未来の国民の生命・財産を守り抜き、強い経済を下支えするため、令和の国土強靱化対策を断行するとした。
発災から復旧・復興まで一貫した政府全体の司令塔機能を有する防災庁の設置や、防災分野の人材確保・育成などを含む災害支援体制・機能の充実・強化を進めることが記されているが、これらの対策が今回の熊本地震に間に合わなかったことが悔やまれる。
一方、医薬品関連では、第3章・2全世代型社会保障の構築として(創薬・先端医療イノベーション)が盛り込まれた。そこでは、革新的な医薬品・医療機器等の創出に向けて、必要な医薬品等が確実に上市される環境整備、特定重要物質を含む供給確保の必要性が高い医薬品等の国産化等による安定供給、先端技術の実用化を目指すとした。
また、バイオ後続品の国内生産体制の着実な整備、後発品の安定供給、研究開発力や製造・供給強化、流通体制強靱化、スタートアップ支援、人材育成、創薬・医療機器開発・診断へのAI利活用、国際共同治験の倍増などの施策を成長の牽引役として示した。
薬価については、来年度も改定実施、制度発展に向けた見直しを具体的に検討して一定の結論を出すと明記した。
同30日の閣議では、27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(概算要求基準)が了解された。今回は骨太方針等に基づき、危機管理投資・成長投資などの投資による潜在成長率引き上げにつながる施策を予見可能性を持って実施できるよう、通常歳出とは別枠で「強く豊かな日本」投資枠を創設した。今後、基本方針に沿って今月末までに各省庁が具体的な要求・要望を取りまとめる予定だ。
日本の将来のために強い経済を実現することや、次世代に向けた持続可能な経済社会の構築を目指した様々な諸施策を展開することは必要だし、平和を守るための防衛力強化の重要性も理解できる。
だが、まずは現在、生命・健康の危機に直面している被災者や患者がいる現状を踏まえれば、これら課題解決のための必要な施策を最優先かつ早急に実現することが求められているのではないか。


















