学校法人医学アカデミーグループ薬学ゼミナール
薬剤師国家試験に向けて、夏頃までは基礎系や薬理、苦手な部分にじっくり取り組むという方が多いのではないでしょうか。皆さんの進捗はいかがでしょうか。
今回は少し目先を変えて、近年の医薬品医療機器等法を中心とした法改正についてお伝えします。既にニュースなどでご存じの方も多いと思いますが、2025年5月に公布された改正医薬品医療機器等法のうち、医薬品販売規制に関する規定が2026年5月に施行されました。法改正自体は、医薬品医療機器等法に限らず、毎年のように行われていますが、今年度は、国試の既出問題の正誤に影響する改正もあるので、注意が必要です。実際の問題を見ながら法改正の影響を見てみましょう。
【知っておきたい法改正1】特定販売
107回国試 問309(参考正答率97%)
解説 上記問題のうち、今年度の法改正の影響を受けるのは選択肢3です。ポイントは、オンライン服薬指導などを経てインターネットで購入できる医薬品が増えたことです。以前は、インターネットで購入(特定販売)できない医薬品を要指導医薬品としていましたが、2026年5月の改正により、特定要指導医薬品のみがインターネットで購入できないものに変更されました。
2022年に実施された107回国試当時の正答は1と5の二つでしたが、現在は選択肢3が同じ文章であれば、「正」の記述へと変わります。
医薬品の分類に基づき、特定販売できないものを法改正前後で表1、表2に示します。2026年7月時点で特定要指導医薬品に指定されているのは、レボノルゲストレルを有効成分とする「ノルレボ」と「レソエル72」のみなので、ほとんどのOTC薬がインターネットで購入できることになります。国家試験ではこの問題以外にも、特定販売できる医薬品について出題されていましたが、現状の制度を考えると、今後は出題される機会が少なくなるかもしれません。

表1 改正前の医薬品の分類:特定販売できない医薬品を太字

表2 改正後の医薬品の分類:特定販売できない医薬品を太字
【知っておきたい法改正2】指定濫用防止医薬品
表2を見ると、「指定濫用防止医薬品」という区分が追加されていることが分かります。これは今までは「濫用等のおそれのある医薬品」として規制されていました。いわゆる若年者を中心としたオーバードーズ対策に関する規制です。それでは実際の問題を見ながら法改正の影響を見てみましょう。
108回国試 問313(参考正答率87%)
解説 上記問題のうち、今年度の法改正の影響を受けるのは選択肢4です。指定濫用防止医薬品のポイントは、「全年齢一律の規制」から「18歳未満を中心とした規制」に見直されたことです。つまり、2026年5月の改正により、18歳以上では購入理由や数量の妥当性などを確認した上で、複数購入が可能になりました。
2023年に実施された108回国試当時の正答は1と4の二つでしたが、現在は、40歳男性への販売であるため、選択肢4は「誤」の記述へと変わります。
以下に指定濫用防止医薬品の規制概要を示します。

表3 指定濫用防止医薬品の主な規制
【まとめ】
今年度の医薬品医療機器等法の改正で国試の既出問題の正誤が変更される問題を一部紹介しました。ここで紹介した以外にも正誤が変わる問題がありますし、制度名・団体名の変更により、問題・解説に変更が生じる問題もあります。今年度は近年でも改正事項が特に多い年度なので、学修を進める際には、最新のテキストや追補・訂正表などで改正情報を確認し、正しい制度を理解していきましょう。
薬学ゼミナールの薬学生のための情報サイト「Capsule」(https://capsule.yakuzemi.ac.jp/past_exam)にて、国試の問題解説を無料で視聴できます。また、自己学習しにくい範囲については、Capsule内の講習会情報なども国試の学修に役立ててください。























