
「Methodintelligence for LC」の画面(「アセトアミノフェン」を入力し、AIが化合物情報や分析条件などを回答した例)
島津製作所は9月1日、液体クロマトグラフ(LC)の分析条件をAIで提案するクラウドサービス「Methodintelligence for LC」の国内発売を開始した。同サービスは、AIエージェントが化合物の関連文献を検索・解析し、自動的に初期の分析条件を提案するもの。研究者が行ってきた文献調査や情報整理の時間を削減し、研究開発の効率化が図れる。昨年プロトタイプを開発し、顧客の意見を反映しながら改良を重ね、今回、製品化に至った。
同サービスは、分析メソッド開発の出発点となる文献調査を支援し、初期の分析条件を自動生成するサービス。4000万件超の信頼性の高い文献情報をAIが解析し、目的とする化合物の分析条件を生成し提案する。経験や知識に依存しやすい条件検討の時間を削減し、研究開発業務を効率化が図れる。
同社はこれまで、分析条件を最適化する「LabSolutions MD」や、熟練者の解析を実現する「Peakintelligence for LC」など、AIを活用したソフトウェアを販売してきた。今後もAI技術と分析計測技術を融合したトータルソリューションの提供を通じて、顧客の課題を解決していく。
同サービスの特長としては、適切な分析条件を迅速に提供できることが挙げられる。化合物名や分析目的などの情報を入力するだけで、AIが医学論文検索ポータルサイト「PubMed」や日本薬局方、同社のアプリケーションニュースといった信頼性の高い情報源を参照し、初期の分析条件を迅速に提案する。AIの思考過程で使用した根拠となる化合物情報や文献も確認できる。
また、文献情報の検索・解析時間を削減できる。4000万件を超える文献から必要な情報を効率的に整理して提示するため、研究者の文献調査や情報解析にかかる時間を削減する。関連性の高い文献や分析条件の一覧表はCSV形式で出力可能で、社内資料やレポート作成に活用できる。
さらに、分析条件の検討過程を残して知識継承できることも挙げられる。AIが提案した分析条件や、その検討過程をクラウド上に安全に記録・共有できる。個人の経験や知識に依存しがちな分析条件の検討を組織の知識として蓄積することで、技術継承や人材育成を支援する。また、入力した情報はAIの学習データとして取り込まれないため、機密性が確保できる。
医薬品などの研究開発の現場では、新規化合物を調べる際、試薬の種類や装置の設定など対象に適した分析条件の設定が重要となる。過去の論文や技術資料、事例などの膨大な情報を収集・比較しながら条件を検討するには、専門知識と多くの時間を要する。近年は人手不足や業務効率化へのニーズの高まりを背景に、研究者がより高度な業務に集中できる環境整備が求められていた。
希望販売価格は、年間ベースライセンス料が220万円~(税込、ライセンスの種類により異なる)
同社は同サービスを、9月2日から3日間、千葉市の幕張メッセで開かれるアジア最大級の分析機器展示会「JASIS 2026」で展示する予定にしている。






















