塩野義製薬は10日、米ビクトリー・ファーマとの買収契約を解消したと発表した。「買収契約が締結された時点では予期し得ない事態が、買収契約締結後に生じたことによるもの」としている。詳細は公表していない。
米国子会社のサイエル・ファーマを通じ、1億5000万ドルを投じてビクトリー・ファーマを買収する契約を今年5月に結んでいた。買収はまだ完了しておらず、手続きを進めている途中だった。
塩野義は、非ステロイド性抗炎症薬の徐放製剤を持つビクトリー・ファーマの買収によって、米国の疼痛治療薬市場への参画を狙っていた。ビクトリー・ファーマの製品を日本に導入したり、塩野義が開発中のオピオイド副作用緩和薬などのグローバル開発に役立てたりする目的もあった。