第一三共は、大型化が見込まれる抗血小板薬「エフィエント」(一般名:プラスグレル)について、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた急性冠症候群(ACS)患者における血栓性心血管イベントリスクの抑制の適応で、10日(現地時間)に米FDAから承認を取得した。エフィエントは昨年2月に優先審査品目に指定され、6月26日が審査期限となっていたが、2回にわたる審査期間の延長を経て、ようやく米国で承認を取得した。今後、米イーライリリーと共同で、数週間以内にエフィエントの発売を開始する予定だ。
エフィエントは、第一三共が次期大型主力品と位置づける抗血小板薬。2007年12月に米国で承認申請を行い、08年2月には優先審査品目に指定されていた。ただ、1万3000例を超えるエフィエントの大規模第III相試験「TRITON」の補足データに対し、FDAは審査に時間が必要と判断。08年6月26日の審査期限を3カ月延長し、さらに9月27日にも審査継続を発表していたが、今年2月にはFDAの諮問委員会が全会一致でエフィエントの承認を勧告し、承認時期に注目が集まっていた。
既に2月には、欧州で先行してエフィエントが承認され、4月には世界で初めて英国で発売を開始している。現在、ドイツ、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ギリシャに発売が拡大しており、今回、米国での承認を受け、いよいよエフィエントの本格販売が開始されることになる。