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都内で開かれた第4回日本セルフメディケーション学会で、全国の薬科大学を対象に行った「セルフメディケーション教育に関するアンケート」の結果が示された。調査は、NPO法人セルフメディケーション推進協議会(略称SMAC)が今年8月、全国68薬科大学に郵送し、現在までに回答のあった32大学の状況を中間報告としてまとめたもの。それによると回答大学の8割弱が新6年制薬学教育において、セルフメディケーションに関連する科目を取り上げていることが分かった。
SMACは生活者のセルフメディケーションの実践を支援することを活動の目的に掲げており、その中で一般用医薬品(OTC)や健康食品に関する相談・指導を通じた薬剤師のセルフメディケーションへの関わりが、職能としても重要になると位置づけている。こうした観点から「今春から始まった薬学教育6年制の中で、どう捉えられているか、問題点は何かを探るのが狙い。こうした調査は恐らく初めてと思う。今後は未回答の大学に問い合わせるなど、全体像をまとめたい」(村田正弘理事)としている。
「新6年制のカリキュラムにおいてセルフメディケーションに関連する科目を取り上げているか」では、23・5%が「独立科目として取り上げている」、55・9%が「複数科目に分散している」、20・6%が「特に配慮していない」で、回答大学の79・4%が何らかの形で教科目に取り入れていた。履修形態だが、独立科目として取り上げている大学は「必修」が71・0%、「選択」が29・0%、複数の科目に分散している大学では「必修」が50・0%、「選択」が17・0%、「必修、選択が混在」が33・0%。
「セルフメディケーションの推進は薬剤師の職能の一端と考えるか」では、79・4%が「重要な職務と考える」とするなど、非常に高い認識であった。これに対し17・6%が「協力・支援は必要と思うが、主要任務とは思えない」、2・9%が「薬剤師以外の職務と考える」と回答した。
「薬剤師がセルフメディケーションに貢献する場合、最も必要と考える知識・技術は何か」(複数回答)では、トップが「一般用医薬品(OTC薬)」の67・0%で、以下は「家庭医学」12・0%、「栄養学」9・0%、「医療制度や保険制度」6・0%と続いた。
「セルフメディケーション関連の教育を行うにあたって何が障害となっているか」では、最も多かったのが「障害は特に見当たらない」で38・0%、続いて「指導教員がいない」24・0%、「カリキュラム全体の時間数から余裕がない」16・0%、「国試出題基準に示されていない」14・0%など。
これについて村田氏は「薬学教育6年制に伴う時間的な余裕や、指導者の問題はある程度想定できた。また出題基準にないというのは、どのような授業内容でやっていくか分からないという意味ではと思う」とした。