厚生労働省は、オンライン請求が義務化されている病院、薬局の6月時点の実施状況を明らかにした。オンライン請求移行ができていないのは1352薬局と、5月から半減し、うち4割に当る542薬局では準備がほぼできていることが分かった。また、特に準備が遅れているのが515薬局あったが、5月に比べると着実に減少している。ただ、準備状況の届け出を行っていない薬局も多数あるため、厚労省は、審査支払機関を通じて引き続き対応を求め、今年度当初の半年をメドに、義務化の猶予を解除する方向だ。
レセプトコンピュータを保有する薬局は、今年度から、レセプト電算処理システムを通じて調剤報酬を請求しなければならないが、5月請求時点で実施が困難な施設に限って、一定期間だけ従来通りの方法を認める措置が設けられた。ただし、準備状況等の届け出を審査支払機関に毎月提出することが求められる。
社会保険診療報酬支払基金が6月の状況届けを整理したところ、2362薬局が未提出で、このうち、1039薬局が5月分も提出していなかった。そのため厚労省は、2カ月連続で未提出の薬局に対し、特に重点的な勧奨を行う方針だ。
一方、状況届けを提出した薬局の実態をみると、レセ電導入の契約を完了しているのが556薬局、未契約が796薬局だった。
レセ電契約済み薬局のうち、代行送信を含めたオンライン開始届けを既に提出しているのは305薬局で、開始届けを出していないもののオンライン回線を敷設しているが112薬局、代行送信を申し込んでいるのが4薬局だった。さらに、レセ電未契約薬局のうち、契約を見込んで開始届けを提出しているのが121薬局あり、これらは準備が概ね整っている。
逆に、特に準備が遅れているグループとして、回線敷設や代行送信の予定がないのが91薬局で、このほか、レセ電の申し込みの予定さえないが424薬局あったが、いずれも5月より3分の2程度に減った。
厚労省は、5月請求分の状況届けを踏まえ、支払基金を通じて対応を促した結果も公表した。それによると、状況届けが未提出だった1520薬局に1022回の勧奨を行い、223薬局がオンライン化に移行した。
また、オンライン開始届けを提出しているにもかかわらず、移行できていなかった1003薬局に対して895回の勧奨を行い、646薬局が移行した。ただ、レセ電申し込み予定がないと回答していた666薬局に550回に及ぶ働きかけを行ったが、申し込みのメドが付いたのは12薬局、検討段階に進んだのを含めても100薬局にとどまり、オンライン請求に至ったのは8薬局のみだった。
厚生労働省は、状況届を出していない薬局や、準備が遅れいている薬局を中心に働きかけを行っていく。