協和発酵キリンの松田譲社長は、都内で開いた記者懇談会で、「診断薬と治療は今後さらに一体となってくる」と強調。抗体医薬の開発に向け、子会社の診断薬メーカー「協和メデックス」の事業強化に取り組む考えを示した。
同社は、独自の抗体活性化技術「ポテリジェント」を活用し、自社抗体医薬の研究開発を進めている。こうした中、松田氏は「抗体医薬は分子標的薬そのものであり、標的分子への特異性が高く、各種の病態をより反映するバイオマーカーを見出し、それらの診断薬を開発することで、臨床試験の加速や副作用軽減に貢献できる」と指摘。「これからの診断薬は、治療とより一体となってくる」と述べ、協和メデックスの診断薬事業を強化し、医薬品開発とのシナジーを目指す考えを強調した。
また、米国の研究開発拠点「協和発酵キリンカリフォルニア」では、ラホイヤアレルギー免疫研究所(LIAI)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)と、産学共同研究を推進する方針を表明。「世界に冠たるLIAI、UCSDとの研究成果を、創薬につなげる重要な橋渡し役になる」として、重点領域の免疫疾患の研究開発を、強力なアライアンスによって加速させたい考えを示した。