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後発品使用促進に新提言‐薬剤師による剤形と規格単位の「妥当な変更」容認を

2009年8月12日 (水)

 後発医薬品の使用を促進する観点から、後発品の剤形や規格単位を先発品に揃える方策が講じられている。これに対し、処方せんに記載された医薬品の剤形と規格単位を、薬剤師が妥当に変更して調剤することを認めた方が、薬価基準収載品目数が大幅に減少し、製薬企業や保険薬局の負担も軽減されるため、後発品の使用促進という面で効果的ではないか、という新たな提案を盛り込んだ研究報告が公表された。現在の保険調剤のあり方そのものにも一石を投じている。

規格の不揃いは950製品

 報告は、医療保険業務研究協会の2008年度調査研究事業として、手島邦和氏(昭和薬科大学大学院客員教授)が行った「後発医薬品に対する審査支払業務の効率化に関する調査研究」としてまとめられた。

 後発品メーカーは先発品と同じ規格数の製品を供給する必要があり、保険薬局も多品目の後発品を備蓄しなければならないことが、後発品使用促進の阻害要因になっているとの指摘もある。そこで、薬価基準に収載されている先発品と後発品の剤形・規格の実態、規格違い医薬品の調剤が医療に及ぼす影響などを調査し、後発品使用促進の阻害要因を除く方策を探った。

 報告によると、配合剤を除く内用固形製剤について、薬価基準収載医薬品(09年1月21日現在)の有効成分を調べたところ、成分数は922、剤形数は1495、規格数は2082、製品数は6330であったという。成分数の割合では、先発品が89・6%(うち先発品のみは51・3%)、後発品が48・6%であったが、製品数の割合でみると、先発品が29・8%、後発品が70・2%で、3対7の比率であった。

 また、厚生労働省は08年度から、後発品の追補収載に当たっては、先発品の規格単位を全て備えた製品を収載対象にすることとし、合わせて既収載品についても、11年度末までに規格を揃えるよう後発品メーカーに対応を求めている。研究では、薬価基準収載品目の中で、先発品に規格単位が一致しない後発品が何品目あるかを調べた。

 その結果、後発品の規格不足は、成分数で162、規格数で237、製品数で950に達していた。 規格不足の多い薬効群は、血圧降下剤(112製品)、血管拡張剤(78製品)、精神神経用剤(75製品)など。これら製品の規格を全て先発品の規格に揃えた場合には、薬価基準収載品目数は6330から7280に増えることになる。

薬価基準の簡素化にも寄与

 一方、薬剤師が処方せんに基づき調剤する場合には、医師等の同意を得た場合を除き、「処方せんに記載された医薬品を、変更して調剤してはならない」と、薬剤師法で決められている。この「処方せんに記載された医薬品」に関しては、薬剤師法上の明確な定義がない。従来から「販売名、剤形、規格単位が一致するもの」と解釈され、一般名処方の場合は薬剤師が銘柄を選択できることになっている。

 ただ、保険処方せんについては、「当該医薬品が薬価基準上、2以上の規格単位がある場合には、当該規格単位をも記載すること」との規定があり、処方欄の医薬品名には、薬価基準名の規格単位まで記載されるため、規格単位の変更も処方せんに記載された医薬品の変更と解釈されている。

 つまり、Aという医薬品は薬価基準に10mg錠と5mg錠が収載されていても、処方せんに「A10mg錠」と記載されている場合、保険薬局は処方せんの指示通りに10mg錠を調剤しなければならず、5mg錠を2錠調剤することは原則的に禁止されている。

 昨年4月に保険処方せんの様式が改定され、先発品の販売名が記載されていても、医師が変更不可を指示しない限り、薬剤師は後発品に変更して調剤できることになった。しかし、先発品を後発品に変更調剤する場合にも、薬剤師の判断で規格単位を変更することは認められていない。

 こうした現状に対し研究報告では、10mg1錠と5mg2錠は、薬事法上は生物学的に同等として承認されており、使用時の成分量が同量であれば、有効性・安全性は同等と推定されるとした上で、販売名・剤形・規格単位のうち、販売名の変更が可能となった現在、医療上の支障等を生じない範囲で、薬剤師が剤形・規格単位を妥当に変更して調剤することを認めるべきではないかと提言した。

 この提案が実現すれば、[1]仮に1成分について1規格単位の供給で十分とすると、薬価基準収載製品数は調査時点の6330品目は4368品目となり、1962品目もの大幅な減少となる[2]結果として、製薬段階における製造工程の簡略化、生産効率の向上が得られ、流通過程の効率化にもつながる[3]保険薬局でも、備蓄品目を効率化できる――などのメリットが考えられるとし、後発品使用がさらに促進されるだろうと指摘した。




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